<宇宙を説明する基本理論である標準模型では歯が立たない4つの謎とは>

宇宙をめぐる謎の中には、物理学の範疇をあっさり超えて哲学の領域に入ってしまうものも少なくない。ビッグバンの前には何があったのか? 物質はなぜ存在するのか?

物理学における大きな謎のいくつかは、「素粒子物理学の標準模型では説明できない現象」と言い換えることができる。

標準模型は宇宙の最も基本的な構成要素を説明する、現時点では最も優れた理論だ。標準模型においては、あらゆる物質がクォークとレプトンと呼ばれる小さな粒子(素粒子)から構成されており、それ以外に素粒子間の相互作用を媒介する粒子があるとされる。

だが標準模型で全てを説明できるわけではなく、重力もダークマターやダークエネルギーの現象も説明できない。

そうした標準模型で説明できない宇宙の謎の中でも有名なものをいくつか紹介しよう。

<H4>反物質の行方の謎

現在の宇宙の始まりは138億年前のビッグバンとされる。私たちの知る全ての物質はそこから生じたと考えられている。

ビッグバンにより、物質と反物質は同じ量、生み出されたはずだ、というのが科学者たちの見解だ。

反物質の粒子(反粒子)は普通の物質の粒子と質量は同じだが、電荷などは逆になる。対で生み出されたが、衝突すると純粋なエネルギーを放出するとともに消滅する。

だが今日、観測できる限りにおいて、宇宙は普通の物質でほぼ満たされている。反物質がどこに行ってしまったのか、きちんと説明した理論はまだ出ていない。だが欧州原子核研究機構(CERN)によれば、物理法則は物質と反物質のそれぞれに同じように働くわけではないことが実験で明らかになっている。専門家たちは今も、その理由を追い求めている。

<H4>ダークエネルギーの謎

90年代、物理学者たちは宇宙の未来について2つの可能性を考えていた。1つは、物質の質量のせいで最終的に宇宙は崩壊するというもの。もう1つは、宇宙は膨張を続けるものの密度が薄くなるせいでそのスピードは時とともに遅くなっていくというものだ。

ところがはるか彼方の超新星の観測により、宇宙が今も膨張を続けているばかりか、膨張が加速していることが確認され、専門家を当惑させることになった。

膨張が加速している理由は今だ解明されていない。それを引き起こしているものを仮に「ダークエネルギー」と呼んでいる。

あまりに壮大な数字に目が回る
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