<心はEUだが加盟は認められず、大型投資をしてくれるのは中国だけ──モンテネグロ外相が語る西バルカン諸国の危機と欧米が取るべき道>

モンテネグロのジョルジェ・ラドゥロビッチ外相は本誌のインタビューに答え、西バルカン地域への中国の影響力拡大にアメリカとEUが対抗する方法は、大規模で規持続的な投資以外にないと述べた。西バルカンとは、バルカン半島の西側に位置するEU未加盟の6カ国(ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、北マケドニア、コソボ、アルバニア)を指す。

Goolemap1115.jpegGoole Map より作成

ラドゥロビッチによれば、「欧州の中心部」である西バルカンの国々もその指導者たちも西側寄りだ。そして喫緊の課題であるインフラ整備や経済成長を支え、ロシアや中国から国を守るため、アメリカやEUのさらなる資金援助を求めているという。

「西側からのさらなる投資を期待している」とラドゥロビッチは述べた。「西バルカンは欧州の中心だ。EUではないが欧州だ。そしてモンテネグロは西バルカンの中心にある。アメリカやEUはこの地域でもっと存在感を示すべきだ」

「(モンテネグロは)政治的には西側だ。NATO加盟国で、EUへの加盟交渉が最も進んでいる国である。また、EUとは多くの共通項がある」

西バルカンの国々はいずれもEUへの加盟を望んでいるが、そこに至るプロセスは長い。また、国内の政治的な混乱(ボスニア・ヘルツェゴビナの民族対立がいい例だ)がさらに加盟を遅らせる可能性もある。

<H4>欧米の「無関心」が中国につけ込まれる原因に

モンテネグロは西バルカン諸国の中でも、EUへの正式加盟に一番近い位置にいる。2017年にはNATOに加盟しており、ラドゥロビッチによれば、EU加盟にこそ国の未来があるというのが政府の考えだ。

だがEUはこれまで、西バルカンのことをおざなりにしていると批判されてきた。加盟に向けた審査に交渉、移民問題をめぐる加盟国からの反対など、加盟までの道のりの険しさに苦い思いを抱く人もいる。

欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は9月に西バルカンを訪問した。加盟プロセスへの西バルカン諸国の懸念を緩和するのが目的だった。

フォンデアライエンはボスニアとクロアチアを結ぶ橋の開通式に出席、こう述べた。「ボスニア・ヘルツェゴビナなど全ての西バルカンの国々はEUに属する。それはわれわれ共通の利害であるだけでなく、運命でもあると私は考えている」

だが加盟交渉の遅れは、他の勢力の西バルカンへの侵入を許した。

「われわれの主要な外交政策パートナーであるEUとNATOとアメリカが、西バルカンのことを顧みなかった時期があった」とラドゥロビッチは言う。「そのせいでここ西バルカンに地政学的空白が生まれた。そこに中国が飛び込んできたわけだ」

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