<タリバンに身元を知られれば報復を受ける恐れがある米軍の協力者らはデジタルデータの消去を試みている>

タリバンは猛烈な勢いでアフガニスタンを制圧し、米軍は撤退した。米軍など西側の軍や機関に協力したアフガニスタン人はタリバンの報復を恐れて身を隠しているが、今や、米軍が収集したアフガニスタン人の生体認証データが、タリバンの手に落ちようとしている。

かつて米軍など西側諸国ために働いたアフガニスタン人は、タリバンによる逮捕や処刑を恐れ、身元を証明するデジタルデータを隠したり破壊したりし始めた、とニュースサイト「ザ・カンバセーション」は報じた。

同サイトによると、米軍とアフガニスタン政府は過去20年にわたって、生体認証データをアフガニスタン全土で収集した。

米国防総省は2011年までに、戦闘が続いていたアフガニスタンとイラクで約480万人分の生体認証情報を集めた。携帯用の生体認証デバイス(HIIDE)を使って収集された記録は、63万件にのぼる。この装置には、指紋の読み取り機、虹彩スキャナ、カメラが組み込まれており、疑わしい人物の指紋や顔写真など識別情報を簡単に収集できるという。

しかしアフガニスタン政府は、安全保障上の理由でアメリカが入手した生体認証データを使うだけでなく、投票や刑事訴追、雇用する労働者の身元調査などにデジタル認証技術を利用した。

本人確認が一発で

アメリカに拠点を置く人権団体「ヒューマン・ライツ・ファースト」は最近、こうしたデジタルデータベースがタリバンに利用されるかもしれない、と警告した。

ロイター通信によると、同団体はツイッターで「タリバンがアフガニスタンの様々な生体認証データベースや装置にアクセスする可能性が高い」と訴えた。「そこには指紋や虹彩スキャンのデータを網羅したデータベースや、顔認識システムも含まれる」

さらに、このデータはアメリカや国際NGO,人権団体の協力者や、アフガニスタンの前政権に関与していた人物を追跡するために使われる可能性がある。

タリバンはまた、このデータを「新しい階級制度を作るために使いかねない。求職者は経歴を生体情報データベースで調べられ、アフガニスタンの前政権や治安部隊とつながりがあると、就職を拒否される可能性がある」と、ヒューマン・ライツ・ファーストの最高技術責任者ウェルトン・チャンはロイターに語った。

同団体はその後、デジタル履歴を削除する方法や、顔認識技術を出し抜く方法を教えるガイドブックを発行した。上から見下ろす角度で撮る、顔の特徴を隠すものをつける、メイクアップを厚く施すなど、顔認識装置をごまかすアイデアが含まれている。

自らのデジタル履歴を削除
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