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米「ロックの殿堂」前でスマホをいじる若者たち(15年7月) ROBERT NICKELSBERG/GETTY IMAGES

Z世代はいかにして政治的立場を決めているのか。いつでもどこでもネットにつながっているのが当たり前の「デジタル・ネイティブ」世代なので、伝統的メディアを情報源にする人は少ない。「親は毎日テレビのニュースを見てるけど、私や友達はソーシャルメディア」だと言う。

ソーシャルメディアといっても、ツイッターやフェイスブックではない。直近の2回の大統領選の結果に影響を及ぼしたことでこの2つのSNSは注目を集めたが、Z世代ではむしろYouTubeやインスタグラム、スナップチャットやTikTokの利用者が多い。

TikTokだけでもアメリカ人利用者は1億人以上おり、そのほとんどはZ世代だ。トランプ政権が昨年8月、中国製のこのアプリを安全保障上のリスクを理由に禁止しようとして失敗したのは記憶に新しい。ちなみにTikTokは左派的なZ世代の活動拠点となってきた。

昨年6月、トランプ陣営の企画した選挙集会には100万件以上の参加予約があった。しかし実際に来場したのは約6200人のみ。反対派の活動家たちがトランプを妨害しようと、TikTok上で画策して大量の偽予約を入れたためとされる。

クリス・エバンスは当初、こうした若者の運動とは無縁だった。だが17年頃に、テレビで知った政治関係の略語をネットで検索しても、すぐに簡潔な意味にたどり着けないことに疑問を抱き、不満を募らせた。

「およそあらゆる事柄についての30秒のハウツー動画が、ネットには転がっている」とエバンスは言う。「でも政治問題についての簡単な解説や、民主・共和両党の主張が分かる動画はなかった。何か大きなピースが欠けているぞと思った」

コメント欄も「いいね」機能もない理由

そのピースを埋めるため、エバンスは11年に共演して以来の友人であるカッセンと、キアニを誘って、「ア・スターティング・ポイント」を立ち上げた。政治に関する簡潔でまとまった情報が即座に得られないネットの現状を変えたかったからだ。

Z世代を標的とするため、サイトとアプリは短い動画中心で構成することにした。政党色を消し、いわゆる炎上を避けるため、サイトにはコメント欄や「いいね」の機能は付けなかった。「若くて好奇心旺盛な有権者が何かを書き込めば、炎上するのは目に見えていた」とエバンスは言う。「そんな不快なネット環境の一部になるのは嫌だった」

テレビ出演時などより穏やかな語り口
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