中国政府の弾圧に耐えている香港や新疆ウイグル自治区の人たちには悲しい知らせだが、彼らの状況が短期的に改善される可能性は低い。

香港に対する締め付けは、徐々にだが確実に強まる。民主派の活動家に対する逮捕・起訴・投獄攻勢は続く。報道の自由は奪われ、子供たちは学校で洗脳教育を受ける。

一方、ウイグル人の強制収容が今以上に増えることはなさそうだが、インターネットを通じた海外からの情報流入を遮断し、現地住民の監視を強化する動きは続く。

米中関係はいかに?

外国から何を言われても、習近平の中国は引き下がらない。彼は強気だ。そうであれば、アメリカとその同盟諸国は一段と結束を固めて対抗するしかない。

だからトランプ前米政権の始めた貿易戦争も、当分は終わらないだろう。

一連の政策レビュー(見直し)が終われば、バイデン政権は半導体や人工知能などの先端技術に的を絞った追加的な経済制裁を発動する。しかし急速な関係悪化はないだろう。

今年11月にイギリスで開かれるCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で、アメリカは中国政府の協力を是非とも必要としているからだ。

報復関税の応酬を一時的に停止した「第1段階の合意」は年末に期限切れとなるが、両国とも少なくともあと1年間は延長で合意するだろう。時間を稼ぎ、新たな貿易交渉を始めたいからだ。

ただし交渉の早期合意を期待するのは間違いだ。バイデン政権は来年11月に中間選挙を控えている。その前に安易な妥協はできない。

アメリカとの関係で最も危険かつ予測不能なのは軍事面での競争だ。

米国防総省は間もなく、中国の進出を抑止するための戦略をまとめる。これをバイデン政権が承認すれば、すぐに具体的な動きが出てくる。

日本や韓国に配備する軍事力の強化、台湾の防衛に向けた一段の軍事的関与、南シナ海における中国海軍の行動に対する軍事的圧力の強化などだ。

もちろん中国はこうした動きに対抗する。だが、この先の1年以内に中国軍と米軍が交戦する可能性は極めて低い。中国は自軍の能力がアメリカより劣っていることを自覚しているし、アメリカにも中国と戦争する気はない。

つまり、少なくとも短期的には、台湾は安心していい。

中国は今後も台湾に対する軍事的な威嚇を続けるだろう。それが偶発的な衝突を招く可能性はあるが、全面的な戦争にはなるまい。

ウイルス流出説で、中国の国際的イメージが取り返しのつかないほど傷つく可能性
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