しかし、アメリカは脅威に関する認識の違いに向き合い、国防費をGDPの2%に引き上げるという空虚なレトリックではなく、同盟の連帯と軍事能力を中心に議論を組み立てる必要がある。

「軍事力増強の目安として、2%という指標にはほとんど意味がない。実質的な支出や生産量を測るものではない」と、ヤン・テハウ独国防相顧問は指摘する。

このような目標で同盟国を殴り付けても、相手は無意味な前進をアピールするだけだ。特に、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)とその後の景気後退を受けて、欧州の国防費が2%の目標を下回ることは当面、避けられそうにない。

次期米政権は、現実的な戦略を推進する軍事能力に焦点を当てるべきだ。そこから生産的な議論の場が生まれ、同盟国は2020年代に向けてNATOを定義できるようになる。冷戦時代の物差しは、現代には通用しない。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年6月23日号掲載>

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