共働き家庭では、阿姨(アーイー)とか保姆(バオムー)と呼ばれるベビーシッターを頼むことも少なくなく、私も出産後は、北京大学の国際関係学院に通うためにベビーシッターをお願いした。会社員生活を終えたばかりで20代の娘を持つ中高年女性だったので、「孫育て」の予行演習だったのかもしれない。わが家の次女に対しても教育熱心で、絵入りの四字熟語の本を毎日根気強く読み聞かせ、次女は1歳前後で数十個の四字熟語を中国語で読み上げられるようになっていた。中国のお母さんはこうして漢字を覚えさせるのか、とすっかり感心したのを記憶している。

しかし、当時は北京でも月に3000~3500元程度(5万円前後)だったベビーシッターの相場は、最近では5000元(7万5000円)を超えるようになったという。住宅価格の値上がりもあり、天津の知人のように共働きでも住宅ローンを抱えた若い夫婦には、ベビーシッターは気軽に頼れる選択ではなくなっている。現実的には地方の祖父母に来てもらう、あるいは小学校に上がる時期まで地方の祖父母に預ける親が多いようだ。

こうした中国の知人の状況を自分と重ね合わせながら思い起こすのは、1990年代にヒラリー・クリントン米大統領夫人(当時)が書いた『(子育てには)村全体が関わる必要がある(It Takes a Village)』という本のことだ。確かに子育ては両親はもちろん、祖父母、そして保育所などの教育機関と、多くの大人が関わってやっとできるものだと思う。日韓中の「祖父母の子育て」も、祖父母(特に祖母)に過重な負担がかからない形を探ってこそうまくいく、というのが私の結論だ。

<2020年3月31日号「0歳からの教育 みんなで子育て」特集より>

【参考記事】コロナ休校で孫育児... でも祖父母の健康に「孫疲れ」はメリットあり

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2020年3月31日号(3月24日発売)は「0歳からの教育 みんなで子育て」特集。赤ちゃんの心と体を育てる祖父母の育児参加/日韓中「孫育て」比較/おすすめの絵本とおもちゃ......。「『コロナ経済危機』に備えよ」など新型コロナウイルス関連記事も多数掲載。
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わが家の高校生の長女は福島県生まれ、小学生の次女は中国・北京生まれだ。日中2つの大学院に通うなどしつつ日本と中国、韓国を2~3年置きに引っ越ししながらの子育ては、韓国人である私の母、日本人の夫の母、それに北京では中国人ベビーシッターの助けなしには難しかった。 優雅な韓服姿の中高年女性がうれしそうに拍手していたと思ったら、次の場面では泣きわめく孫をおんぶして食事の支度をしている。普段着にぼさぼさ頭で、ゆがんだ表情。そこに「子育て作業の終わり、そして子供の子供を育てる作業の始まり」という字幕が映し出される。2015年頃、韓国で流れたマンション建設会社のテレビCMだ。