カリフォルニア州で2年連続となる大規模な山火事が発生したことを受け、米国では企業のリスクを測る新たな指標の導入が進んでいる。評価の対象となるのは「気候変動に対する抵抗力」だ。

企業側も危機対応の意識高まる

海面上昇から記録的な熱波まで、様々に広がる気候事象は利益や売上高にどのような影響を与えるのか。そうしたリスクに企業がどう対応できるのか。投資家、アナリスト、調査会社、そして各企業も、そうした評価や判断をこれまで以上に重視するようになっている。

特にカリフォルニア、フロリダ、ルイジアナなど気象変化のリスクが高まっている地域では、立地企業が危機に備えた事業計画の有無や妥当性を問われる局面が増えている。

ロイターがリフィニティブの企業データを分析したところ、四半期業績報告で気候変動が経営に与える潜在的な影響について触れた企業は、今年初めからの合計で70社を越えている。昨年はもちろん、2014年以降のどの年と比べても、2倍以上の数だ。

他に先んじて気候変動リスクに注目してきたのは、企業の環境・社会・ガバナンスといった側面を重視する、いわゆるESGファンドだった。だが最近では、これまで企業経営に影響する環境要因を考慮していなかったファンドマネジャーも、対象企業が抱えるリスクやその可能性をこれまでよりも慎重に検討するようになった。

コロンビア・リアルエステート・ファンドの上級ポートフォリオ・マネジャーを務めるアーサー・ハーレイ氏がポートフォリオに含めている企業、たとえばエクイティ・ライフスタイル・プロパティーズなどは、アナリスト向けの収益報告の中で、新規に港湾施設を購入する際に水位上昇の可能性を評価している。同社の株価は年初来43%も上昇した。

同氏は気候リスクに先手で対応しているエクイティ・ライフスタイルやボストン・プロパティーズといった企業に積極的に投資するようになった。これらの企業は、開発候補地の標高にもっと注意を払う、重要な設備の建築設計には床面よりも高く設置するといった条件を盛り込む、など様々な対応をとっている。

「企業が戦略を大きく変更するという期待はできないが、気候変動への抵抗力をに関するプランについて経営陣と対話する機会は増えている」と同氏は語る。

近い将来に解消できるリスクではない