ECBは昨年12月、金融危機以降続けてきた2兆6000億ユーロに及ぶ資産購入プログラムを終了したばかり。ただ、同プログラムの刺激効果は限定的なものにとどまった。

ベレンベルクのアナリスト、ホルガー・シュミーディング氏は「ECBがもっと積極的に金融緩和を行ったところで何かが大きく変わるとは思えない」と指摘。「米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)といった外部ショックが域内経済の回復を阻害し、不確実性がこれほど根強い中では、いくら家計や企業の借り入れコストが低下しても個人消費や企業投資が大幅に持ち直すとは考えにくい」と述べた。

また、債券買い入れ策を「利上げを開始するまで必要なだけ継続する」とする方針は、近く就任するクリスティーヌ・ラガルド次期ECB総裁の任期の大半を通じ、債券買い入れが継続する可能性を示唆している。

INGのエコノミスト、カースティン・ブルゼスキ氏はこの日のECBの決定について、「ドラギ氏の遺産を将来のECBの政策決定に祭ったことになる」と指摘した。

ドラギ総裁は来月に8年の任期満了を迎える。

ECBが予想を上回る大型刺激策に動いたことで、政策決定を来週に控える米連邦準備理事会(FRB)や日銀への緩和圧力が高まる可能性がある。

トランプ米大統領はECBの動きに反発。ツイッターへの投稿で「ECBは非常に強いドルに対するユーロの価値を引き下げることに尽力そして成功し、米国の輸出に打撃を与える。FRBは手をこまねいているだけだ。FRBが金を貸りて報酬を得る一方、われわれは金利を払っている!」と述べた。

*内容を追加しました。

[ブランクフルト 12日 ロイター]
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