生産した地金のデータベース構築へ

市場関係者の話では、JPモルガンは金庫での偽造品発見を受けて、保有する金を全面的に点検した。1人の関係者は、その結果として約50本の偽造された金地金が見つかったと指摘。別の関係者によると、数百本が発見されたという。これについてJPモルガンはコメントしなかった。

発見された偽造品の本数は2017年以降、減少している。だが精錬業者の話では、偽造はますます高度になっているため、問題は拡大している可能性がある。

バルカンビのメサリク氏の話では、2017年には数百本の金地金に同じ識別番号が刻印されていることが判明。刻印にはつづりの誤りやロゴの欠陥のほか、過度に深いか浅い刻印も見られた、と別の精錬業者は話した。

メサリク氏は、現在では偽造には高度な機械が使われているとみられ、偽造品の精度は上がっていると語った。それでも機械がつかんだ痕跡や不完全な鋳型の痕跡といった明確な証拠が存在する場合もあるが、見逃しやすいという。

偽造品かどうかを確認する最も信頼できる手法は、純度の試験だ。金地金の標準純度は99.99%だが、スイスの精錬業者が3本の偽造品を調べたところ、2本は99.98%、残る1本は99.90%だった。

スイスの税関は、ティチーノ州の検察に報告された655本の偽造品について、一部は純度は99.99%をわずかに下回る水準だったと説明した。

スイスの精錬会社幹部は「偽造のレベルは大きく向上している。われわれでさえ、見抜くのが難しい」と指摘。「だが純度が少し低い。偽造業者はわれわれが使っている機器を持っていないからだ」と語った。

この問題に精錬業者は技術で対応している。

精錬大手メタロアは今年、金地金に偽造を見抜けるインクで刻印を始めた。これは偽造を防止する紙幣の印刷と同様、特定の光線やフィルターを介して見た場合、異なる形に表示される。

RAMPとバルカンビは、金地金の表面をきめ細かくスキャンして記録した上、それぞれの地金をスキャンして記録と一致しているかどうかを確認する機械やアプリを供給する。

アルゴルは、同社の金地金には偽造防止の多様な仕掛けが施してあるとしながらも、セキュリティー上の理由で詳しくは説明しなかった。

精錬業者を認定するロンドン貴金属市場協会(LBMA)は現在、偽造防止の基準を策定している。同協会はまた、セキュリティーを強化する手段として、生産されたそれぞれの金地金に関する情報を包含した世界的なデータベースの構築を提案している。

だが、精錬業者の偽造防止策は最近導入されたばかりであり、データベースが整備されるのは早くても2020年だ。

[ロンドン ロイター]
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