結局オルメルトはアサドに連絡しないと決めた。何が起きたのか、アサドには分かるはずだ。

数時間ほどで、ヤドリンはアマンの思惑どおりに事が運んだと確信した。シリア側の動きに変わった点はなかった。部隊の動員も空軍機の急発進もスカッドミサイルが発射台に搭載されることもなかった。戦争が起きる気配はなかった。

軍事顧問の最新報告を受けたオルメルトは直ちにブッシュに連絡。APEC(アジア太平洋経済協力機構)の会議でオーストラリアにいたブッシュは「何かあればアメリカはイスラエルの味方だ」と答えた。

数日後、米大統領執務室からオルメルトに電話してきたブッシュは一転して有頂天だった。「エフド、友よ!」と叫び、イスラエルは正しいことをしたと言った。国の存亡に関わる脅威を排除したのだ、と。

<本誌2019年7月2日号掲載>

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