[5日 ロイター] - 米中間選挙において、テキサス州やジョージア州など主要なデータセンター拠点州で民主党が勝利したことで人工知能(AI)監督強化の思惑が広がっている。一方、テキサス州のデータセンター許可凍結が延長され、プロジェクトが遅延する可能性も投資家の間で懸念されている。
ゴールドマン・サックスによると、民主党がデータセンター開発を制限する可能性がある州は、全米で計画されている容量の約45%を占めており、うちテキサス州が約25%だ。
データセンター建設が減速した場合、影響を受ける可能性がある企業のリストは以下の通り。
◎負け組候補
<データセンター・インフラ企業>
モルガン・スタンレーによると、テキサス州への事業エクスポージャーが最も多いデータセンター開発事業者は、サイファー・デジタル 、MARAホールディングス、SEI 、ギャラクシー・デジタル など。
同州で勝利した民主党候補者は、データセンター開発の一時停止を公約の一部としていた。モルガン・スタンレーは、同州に拠点を置く、または同州で進行中のプロジェクトを持つ企業にとって、同州への投資が主要なリスクの一つになるとみている。
<発電・電力機器企業>
データセンター運用に電力を供給する電力会社も影響を受ける可能性がある。特にテキサス州、オハイオ州、ペンシルベニア州、ジョージア州で大きく事業展開する企業への影響が大きい。
JPモルガン・チェースが、プロジェクト遅延の悪影響を受ける可能性があると予想する電力会社は、ビストラ 、NRGエナジー 、コンステレーション・エナジー 、タレン・エナジー など。
「これらの州のほとんどはデータセンター開発を全面的禁止しているわけではないが、新規プロジェクトは承認のハードルが高くなると予想され、既に承認されたプロジェクトが非常に優位になる」とJPモルガンのアナリストは述べた。
またモルガン・スタンレーによると、ガスエンジンメーカーのイニオ は、テキサス州への依存度が高く、受注減速の影響を受けやすい企業とみられている。
<半導体メーカー>
半導体メーカーはAIブームの最大受益者の一つとみなされているため、あらゆるデータセンター開発の減速が逆風になり得る。
UBSのアナリストは、データセンターの建設許可が一時停止することで2028年までの建設ペースが鈍化し、同年に見込まれていた追加容量の約30%が影響を受けかねないと試算している。
ただ「減速は半導体やAIインフラにとってマイナスだが、バリュエーションが過去数年間の最低水準に近付いており、多くは既に織り込み済みだ」と指摘した。
<クラウド企業>
ベアード・エクイティ・リサーチによると、オラクル やコアウィーブ は、建設の遅れや一時停止によって影響を受ける可能性のある企業に含まれる。ただ、ベアードのアナリストチームは「とはいえ、最近のネオクラウド株のアンダーパフォーマンスにより、全てではないものの相当なリスクが既に織り込まれているとわれわれは考えている」と述べた。
◎勝ち組候補
<ハイパースケーラー>
アマゾン・ドット・コム 、マイクロソフト 、アルファベット などのハイパースケーラーは、エクスポージャーの分散と豊富な資金力により、底堅さを示すかもしれない。
大手企業にとって、新規データセンター建設の減速はキャッシュフローの懸念を和らげるだけでなく、新規プロジェクトの承認獲得がより困難になれば、既に所有またはリースしているデータセンターの価値が高まる可能性があるとアナリストは述べている。
<公益企業>
モルガン・スタンレーのアナリストチームによると、アプライド・デジタル やテラウルフ など、テキサス州でのエクスポージャーが少ないデータセンター開発事業者は、競合他社よりも影響を受けにくい可能性がある。
また、投資家がアメレン、コンソリデーテッド・エジソン 、デューク・エナジーといった、よりディフェンシブな(経済動向に影響されにくい)公益企業へとシフトするとモルガンは予想している。