Rodrigo Campos
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 国際金融協会(IIF)が5日公表したデータによると、10月の新興国市場からの外国人投資家の資金純流出額は338億ドルとなり、3月以来7カ月ぶりの高水準を記録した。もっとも米国債利回りの低下とドル安が、新興国市場の下支え要因になる可能性があるという。
10月の純流出額は9月改定値の193億ドルから拡大し、前年同月の274億ドルも大きく上回った。
流出の大半は株式市場からで、株式全体の純流出額は317億ドル。債券市場からは21億ドルの純流出となったが、中国以外の債券への72億ドルの流入が、中国債券市場からの93億ドルの流出を一部相殺した。中国債券からの流出額は5月以来最大だった。
IIFのシニアエコノミスト、ジョナサン・フォーチュン氏は「10月の圧力要因は主に株式市場のリスク回避姿勢と各国固有のショックだったことを示している」と分析した。
米中間選挙後には米国債利回りの低下とドル安観測が強まり、市場では12月の米連邦準備理事会(FRB)による0.25%の利上げも織り込み済みで、こうした環境は新興国の借り入れコスト低下や通貨安圧力の緩和につながる可能性がある。
一方、アジアのハイテク株には逆風が続いてもおかしくない。大手テクノロジー企業の7-9月期決算を受け、人工知能(AI)投資がどの程度の速さで収益化につながるかについて市場の見方が厳しくなっているためだ。
10月には半導体関連株指数が15.4%下落し、新興国株指数も8.1%、韓国株は16.2%、台湾株は5.7%それぞれ下がった。特に韓国株と台湾株は年初から9月までにそれぞれ62%、66%上昇しており、IIFは利益確定売りが広がったとみている。
台湾株からの資金流出額は318億ドルと、IIFの統計が確認できる2000年以降で最大となった。韓国株市場からも146億ドルが流出した。
年初来では、新興国株式市場からの純流出額が1274億ドルとなり、前年同期の185億ドルを大幅に超えた。新興国債券市場への流入額は2633億ドルで、前年同期の2724億ドルをやや下回った。
株式と債券を合わせた新興国市場への年初来の純流入額は1359億ドルとなり、前年の2540億ドルから減少した。
地域別では、アジア新興国からの純流出額が287億ドルと全体の大半を占めた。中国株からは50億ドルが流出し、インドネシア市場も株価指数上の新興国区分引き下げ懸念から売り圧力を受けた。中南米市場からは17億ドルが流出し、ブラジルの選挙を巡る市場の変動が影響した。