[5日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は5日、物価上昇圧力が依然として容認できないほど高いため、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ率を目標の2%に引き下げるためにやるべきことが残っているとの考えを示した。

ハマック総裁は、チューリヒでのイベントでの講演原稿で、「インフレ率を適時に2%に戻すためには、金融政策を引き締め的なスタンスへと転換する必要がある」と説明。FRBの次回の利上げ時期には言及しなかったものの、「可能な限り、より頻繁に小幅な調整を行うことでそのスタンスに到達することを好む」とし、「その方が家計、企業、金融市場への混乱を抑えられる」と述べた。

また、段階的な利上げは「政策が本来あるべき水準に到達する上で後れを取ったり、インフレ志向の考え方が定着したりするリスクも低減させる」との考えも示した。

さらにハマック氏は講演で、安定したインフレを達成するにはFRBの独立性が極めて重要だと述べ、「FRBは政治的圧力ではなく証拠や経済データに基づいて運営する機関として信頼性を獲得してきた」と強調した。

<ドルの基軸通貨としての地位>

ハマック氏は講演の大部分を、ドルとそれが世界で果たす重要な役割について費やした。同氏は、米国の制度と法体系の強さにより、ドルは「圧倒的な差で」世界の基軸通貨であり続けていると指摘。

「ドルの地位は、その強さの根底にある基本的な資質、つまりあらゆる通貨にとって強固な基盤となる資質を維持することにかかっている」とし、「これには、われわれが使命を果たせるようFRBの独立性を維持することも含まれる」と述べた。

また同氏は、暗号資産(仮想通貨)がドルの地位を奪う立場にあるようには見えないと指摘。「暗号資産は価格変動が大きいため、ドルに比べて価値の保存手段としての確実性が低い」とし、「こうした問題が解決されるまで、暗号資産がドルの地位を脅かすとの見方には懐疑的だ」との見解を示した。

FRBは先週、連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を3.75─4.00%に据え置くと決定した。ハマック氏はクック理事とともに、2会合連続となる0.25%ポイントの利上げを主張し、金利据え置きに反対票を投じた。

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