David Milliken Andy Bruce Suban Abdulla

[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は5日、政策金利を0.25%引き上げ4%とした。利上げは3年超ぶりで、米国とイランの紛争が続けば、少なくともあと1回の利上げが必要になる可能性が高いとの見方を示した。

中銀によると、国内インフレ率は2027年半ばに目標の2倍を超える5%前後に達する見通し。生活費負担の軽減を目指してきたバーナム首相には打撃となる。

これまでのところ、エネルギー価格上昇の影響を直接受ける業種以外でインフレ加速の兆候は乏しい。ただ、中銀は、数カ月にわたるエネルギー高が今後もたらすインフレ圧力の大きさを踏まえると、現時点での利上げが必要だと説明した。

ベイリー総裁は「今回の利上げを、長期にわたる一連の利上げが不可避となる第一歩と捉えるべきではない。しかし、中東紛争が解決しない限り、今回が最後の利上げになるとも考えにくい」と述べた。

金融政策委員会(MPC)は8対1で利上げを決めた。ロイター調査では据え置きを主張する反対意見がでるとみられていたが、実際にはより大幅な利上げを求めた。

マン委員は、0.5%ポイント引き上げて4.25%とすることを主張した。同委員は10月、英中銀がインフレを制御できていると市場を安心させる対応が遅れたと指摘していた。

決定後、英ポンドは米ドルに対して上昇した。今後の政策金利見通しに敏感に反応する2年物国債利回りは、4ベーシスポイント(bp)と比較的大幅な上昇となった。

JPモルガン・プライベート・バンクのグローバル投資ストラテジスト、マディソン・ファラー氏は「今回の利上げは、積極的な利上げ局面の始まりというより、慎重に調整された信認を維持するための措置という印象だ。インフレ率は高いが、エネルギー以外にも広がっているかどうか、まちまちの様子が示されている」と述べた。

<追加利上げの規模巡り意見分かれる>

11月会合の議事要旨によると、マン氏は「非線形的なインフレリスク」を懸念していると述べた。9月の消費者物価上昇率が3.5%に達したことで、中銀への信認が失われるきっかけとなるとの見方を示した。

ベイリー氏はこれまで数カ月、利上げの判断を急ぐ必要はないとしていた。紛争開始時の政策金利が他の中銀より高かった上、市場は26年中の利下げを予想していたためだ。

5日の決定を前に、投資家と金融市場は11月の利上げをほぼ確実視していた。ただ、金融市場は27年に0.25%ポイントずつ計3回の利上げを織り込んでおり、大半のエコノミストが想定する回数を上回っていた。

議事要旨によると、ベイリー氏はこの違いについて金融市場がエネルギー価格の一段の急騰というテールリスクを織り込んでいる一方、エコノミストの予想は、追加引き締めがより小幅にとどまる最も可能性の高いシナリオに基づいているためだと説明。「インフレ圧力に関するリスクを和らげる新たな情報がなければ、追加利上げには理由があると考える」と述べた。

ロンバルデリ副総裁は、近いうちに追加利上げが必要になる可能性が高いと述べた。

マン氏とともに9月の会合で利上げを支持したグリーン外部委員とチーフエコノミストのヒュー・ピル氏は、それぞれ「さらなる引き締め」と「追加利上げ」の必要性に言及した。

これまで利上げに慎重だったディングラ委員とテーラー委員は、追加引き締めを支持するには、二次的な波及効果について、より明確な証拠が必要だと述べた。

<成長率とインフレ率の見通し引き上げ>

英中銀は経済成長率とインフレの中心的な見通しで、26年と27年の成長予想をそれぞれ1.6%、1.3%に引き上げた。いずれも政府の予算責任局(OBR)が前週示した予想を大きく上回る。

上方修正は26年の堅調な公式統計を踏まえたもの。英中銀は、経済の強さの一部は人工知能(AI)関連支出と、ヒーリー財務相が前週発表した予算による小幅かつ一時的な押し上げ効果によるものだと分析した。

一方、インフレ率は27年第2・四半期に平均4.8%でピークを付けると予想。原油価格が現在の1バレル=100ドル前後から130ドル前後まで上昇する厳しいシナリオでは、27年第3・四半期に6.2%に達する。

中心シナリオでは、インフレ率が2%に戻るのは28年第3・四半期となる見通しで、7月の予想から半年遅れた。7月の予測は、米国とイランの紛争が小康状態となり、エネルギーコストが低下していた時期に作成された。

英中銀によると、インフレと税負担を考慮した英家計の所得は、26・27年に減少する見通し。

ヒーリー氏の予算について中銀は、インフレ率を最大で0.25%ポイント押し下げるものの、一時的な生活費支援が終了すると、その後は押し上げ要因になるとした。

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