Jacob Gronholt-Pedersen Stine Jacobsen
[コペンハーゲン 5日 ロイター] - デンマークの海運大手マースクは5日、2026年通期利益予想について3度目の上方修正をした。人工知能(AI)主導の需要を背景にコンテナ船運賃が高止まりしていることを反映した。ただ、第3・四半期利益は市場予想を下回った。
利益予想の引き上げは貨物量の増加によるものではなく運賃上昇が主因で、中東情勢を背景とする航路の混乱や港湾の滞船といった一時的な要因に支えられている側面が強い。 アナリストからは、船舶のスエズ運河通航再開や新造船の投入に伴い、こうした混乱は薄れるとの見方も聞かれる。
マースクは、26年通期の実質利払い・税・償却前利益(EBITDA)予想を、従来の105億─125億ドルから140億─145億ドルに引き上げた。
実質利払い・税引き前利益(EBIT)予想も、45億─65億ドルから80億─85億ドルに引き上げた。
新たなEBITDA予想は、LSEGがまとめたアナリスト予想(140億2000万ドル)とほぼ一致した。
第3・四半期のEBITDAは前年同期比75%増の47億ドルで、LSEGのアナリスト予想平均である50億4000万ドルを下回った。
アナリストらは、海運部門の輸送量が予想を下回ったことやコスト増加が営業利益の未達につながったと指摘した。
海運部門の輸送量は前年同期とほぼ横ばいだったが、運賃は前四半期比で46%上昇し、前年同期比では2倍以上に跳ね上がった。
ビンセント・クラーク最高経営責任者(CEO)は声明で「地政学的な不確実性や混乱が続く中でも、世界貿易は極めて強靱(きょうじん)さを維持している」とし、「需要は個人消費だけでなく、電動化やエネルギーへの大規模投資、AIインフラの急速な拡張によって、活発な産業貨物の流れが世界で生み出されている」と指摘した。
マースクは米国市場について、個人消費とAI構築に伴う設備投資に支えられ、経済活動は堅調に推移したと説明した。中国の成長は内需低迷により抑制され、最近の財政政策による押し上げ効果も限定的だったとした。
今年の世界コンテナ輸送量は約4%増との予想を維持した。