[4日 ロイター] - 米金融大手JPモルガンは4日の顧客向け資料で、米国・イスラエルによる対イラン戦争で数カ月にわたり混乱していた世界の石油市場が供給過剰の状態に戻ったとの見解を示した。一方で英HSBCは、サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコの原油生産量見通しを引き上げた。
JPモルガンは、世界の石油市場が9月に日量110万バレルの供給過剰に転じ、10月には供給過剰が同140万バレルに拡大したと推計。この水準は前年平均の日量130万バレルの供給過剰にほぼ匹敵するという。
同社は在庫と貿易フローの両方が余剰原油の市場回帰を示していると指摘。世界の原油輸入量は10月に日量4490万バレルとなり、前年同月比で同130万バレル増加したとしている。
中東からの原油輸出は3月の日量980万バレルから約2070万バレルへ回復した。ただ2月末にイラン戦争が始まる前の水準は依然として下回っている。
また中東以外の地域での増産も供給増加に寄与した。
JPモルガンは、中南米だけでも前年同期比で日量約150万バレル増の原油を供給していると推計し、ブラジルやベネズエラ、ガイアナ、アルゼンチンがその中心になっているとした。
一方で同社は、高騰した燃料価格や供給混乱が消費を抑制したため、世界の石油需要は紛争開始以降、日量約330万バレル減少したと推計している。
HSBCは輸出回復が想定より速いことを理由に、サウジアラムコの2026年第4・四半期の原油生産量見通しを従来の日量630万バレルから830万バレルへ引き上げた。
27年の生産量見通しも日量880万バレルから980万バレルへ上方修正し、27年半ばまでに生産量は日量約1000万バレルへ回復すると見込んだ。
HSBCによると、10月のサウジ原油輸出量は日量約700万バレルまで回復し、紛争前の水準に近づいた。
同社は中東からの原油輸出回復は、紛争による供給の混乱が和らいでいることを示唆していると指摘した。