Nate Raymond
[4日 ロイター] - 3日の米中間選挙でトランプ米大統領率いる共和党が上院の多数派を維持できなかったことで、同党が判事の任命を迅速に進め、保守派判事によって連邦裁判所の構成を変えてきた時代も終わりを迎える。
トランプ氏は昨年ホワイトハウスに復帰して以降、共和党が多数派を占める上院を頼りに、終身任期の判事56人の承認を難なく取り付けてきた。1期目の4年間に任命した234人に上積みした形だ。
しかし、民主党が少なくとも54議席を確保し、2027年1月3日から上院の多数派となる見通しとなったため、ホワイトハウスは保守的な価値観を共有する判事の承認を容易に得る道を失おうとしている。将来、連邦最高裁で欠員が生じた場合に後任を送り込むことは、なおさら難しくなる。
判事の指名動向を追うリッチモンド大学のカール・トバイアス法学教授は「トランプ政権2期目に承認されてきたような人物を受け入れないよう求める動きが、民主党内でかなり強まると予想する」と述べた。
上院司法委員会の民主党トップ、ディック・ダービン議員(イリノイ州)が引退する予定のため、委員長にはシェルドン・ホワイトハウス議員(ロードアイランド州)が就く見通し。同氏は、上院議員が近年、人事指名に対する影響力を行政府に譲り過ぎてきたと主張している。
ホワイトハウス氏は声明で「上院司法委員会の共和党議員とトランプ政権は、委員会の監督権限と承認権限を骨抜きにしてきた」と指摘。「長年にわたる共和党の不適切な行動の責任を問い、次の議会では指名承認手続きを抜本的に立て直す必要がある」と表明した。
共和党は上院で多数派を失う可能性に備えていた。共和党のチャック・グラスリー司法委員長(アイオワ州)は、民主党が1月に主導権を握るまでのレームダック会期中に、承認待ちとなっているトランプ氏の指名候補を可能な限り多く承認できるよう、布石を打ってきた。
グラスリー氏は10月、民主党の反対を押し切り、11月10日から2週連続で判事候補の指名公聴会を開くことを決めた。通常は2週間に1回しか開かない慣行から外れる措置だ。
これにより、委員会で審議待ちとなっている判事候補9人を取り上げることが可能になる。別の13人は既に委員会での公聴会を終えており、クリスマスまでに上院本会議で承認採決にかけられる可能性がある。
トランプ政権1期目にホワイトハウス法律顧問室で判事の指名に携わったジョージ・メーソン大学のロブ・ルーサー法学教授は「これまでに指名された判事候補は全員承認されると予想する」と述べた。
ホワイトハウス当局者は、承認待ちの判事候補全員が年内に承認されると見込んでいると述べた。
ただ、ルーサー氏によると、1月になれば民主党が連邦控訴裁判事の任命や連邦最高裁の欠員補充を阻むため、判事の承認はごくわずかになる見通しだ。