[フランクフルト 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は4日、欧州で夏の猛暑に伴う大きな被害が発生したことを踏まえ、気候変動関連の対策を強めるよう欧州連合(EU)に呼びかけた。国連気候変動枠組み条約第31回締約国会議(COP31)首脳会議が来週トルコで開かれるのを前にした発言で、関連した保険の整備や電力インフラへの投資拡大、企業による自家発電強化を挙げた。
ロイターが確認した内部文書によると、EUはCOP31首脳会議で、温室効果ガス排出削減に向けた「パッケージ」に関する合意をまとめたい考えだ。
ラガルド氏はブログで「夏の異常気象が常態化しつつある中、欧州は先を見据えて準備を進め、経済的損失を防ぐ必要がある」と述べた。熱波や山火事などで欧州の経済やエネルギー面で弱点が示されており、温暖化で問題が深刻化しかねないと主張した。
ラガルド氏は、欧州での災害損失のうち保険でカバーされてきたのは4分の1に過ぎないと指摘。気候災害に備えた官民共同の再保険の仕組みづくりの必要性を強調した。送電網を拡充する投資が全体としてのコスト削減につながるとしたほか、太陽光発電の活用に向けた蓄電能力の向上、自家発電設備の保有企業が需要ひっ迫の際に供給支援するようなルールづくりを提言した。
ラガルド氏は、民間部門からの多くの投資が必要だとし、資金調達面でのECBの施策については言及しなかった。ラガルド氏は来年2月7日に退任することを発表している。