Christoph Steitz Yuka Obayashi Emanuele Berro
[フランクフルト/東京/グダニスク 4日 ロイター] - 世界の企業各社は4日、エネルギーや原材料のコスト上昇、米消費者の購買力の低下に苦しむ中、米連邦議会の民主党による掌握が短期的な見通しを変える可能性は低いとの見方を示した。一方で、政治的安定が見込まれることを歓迎する声もあった。
3日投開票の米中間選挙では、民主党が上下両院の過半数を奪還した。共和党の牙城にも食い込んで幅広い勝利を収め、有権者がトランプ大統領に厳しい審判を下した形となった。
だが、関税措置やエネルギー価格、インフレ、消費者信頼感など、世界中の企業を揺るがしている問題に対して、今回の結果が何を意味するのかを見極めるには時期尚早だ。
ドイツの自動車部品大手コンチネンタルのローランド・ウェルツバッハー最高財務責任者(CFO)は「米国で事業を展開する企業としてわれわれに必要なのは、政治的安定と信頼できる経済の枠組みだ。これらを支えるあらゆる動きは歓迎する」と指摘。「これが当社や経済全体にとって具体的に何を意味するのかはまだ不明だが、安定をもたらすという点では良いことだ」と述べた。
アナリストらは、米国の消費者のコストを押し上げてきた貿易戦争への回帰を避けるため、ホワイトハウスへの圧力が強まる可能性があると指摘。一方、欧州の一部メーカーは、トランプ氏の高い輸入関税が即座に実質的に緩和されることはほとんど期待できないとみている。
ドイツ機械工業連盟(VDMA)で北米担当の通商政策顧問を務めるアンドリュー・アデア氏は、トランプ政権は主に議会の承認を必要としない大統領権限を通じて関税政策を進めてきたため、こうした権限は依然として維持されるとの見方を示した。
同氏は、議会は既存の関税の撤回を模索する可能性はあるものの、そうした法案は大きな政治的ハードルに直面し、最終的に大統領に拒否権を行使される可能性があると指摘。「このため、国内政治が短期的に事業環境に直接影響を及ぼすとは予想していない」と語った。
今回の選挙結果は、トランプ氏の強硬な移民・通商政策によって損なわれてきた米国の対外的なイメージを改善させる可能性もある。トランプ氏の就任以降、訪米者数は大きく落ち込んでいる。
独フランクフルト空港運営会社フラポートのステファン・シュルテCEOは「関税を巡る反発が和らぎ、旅行への意欲が高まる可能性があり、航空業界にかなりプラスの影響を与えるはずだ」としつつ、「ただ、その重要性を過大評価するつもりはない」と述べた。