Howard Schneider

[ワシントン 4日 ロイター] - 中間選挙での民主党の圧勝、とりわけ米上院の支配権獲得は、米連邦準備理事会(FRB)への介入を図るトランプ大統領に対し、FRBの立場を強める結果となる。上院が人事承認権を握ることは、トランプ氏が中央銀行にこれ以上の盟友を送り込むことへの大きな歯止めとなる。

これは、ウォーシュ議長にとっても新たな頭痛の種になりかねない。主要な監督委員会が民主党の手に渡り、上院銀行委員会の場合、ウォーシュ氏に厳しい批判を向けてきたマサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)が、トランプ氏の盟友でウォーシュ氏を支持するサウスカロライナ州選出のティム・スコット氏に代わって委員長に就く可能性が高いためだ。

元FRB理事ラリー・メイヤー氏の会社であるマネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミストらは、民主党の上院勝利の影響について、ウォーシュ氏は「議長就任で民主党からの支持を得られなかった。発信を減らし、対外的な透明性が低下した中銀運営を進める中で、敵対的な質問がウォーシュ氏の姿勢を試すことになりかねない」と記した。

生活費問題を前面に掲げて選挙戦を展開した民主党には、中央銀行のインフレ抑制という使命を巡ってウォーシュ氏に圧力をかける動機がある。一方、同委員会は重要と見なす問題を調査する広い余地を持つことになる。ウォーレン氏の場合、ウォーシュ氏がFRB議長に就任する過程で数億ドルの資産を不透明な形で処理したことなどがそれに当たる。

トランプ氏にとって、議会の新たな力学は、7人で構成するFRB理事会にさらに盟友を据えようとする取り組みを直接阻むものだ。理事のうち3人はバイデン前大統領が任命した。トランプ氏とバイデン氏から連続して任命されながら、今は大統領と対立するパウエル前議長も、依然として理事にとどまっている。

大統領はこの顔ぶれを「敵対的」「党派的」と呼び、FRBは金利を大幅に引き下げる必要があると主張してきた。反対に、ウォーシュ氏を含む政策当局者は、高インフレを抑えるために利上げを続けてきた。

トランプ氏によるリサ・クック理事の解任の試みは続いている。数週間以内にホワイトハウスの行政手続きが行われる見通しで、クック氏がFRBに任命される前の住宅ローン申請の誤りを巡り、トランプ氏が解任する「正当な理由」があると表明する下地を整えるものとみられる。

これに対しては訴訟が起こされる公算が大きい。最高裁は既に一度、クック氏の排除を図る試みに対しトランプ氏に不利な判断を下している。仮に最終的に解任に成功したとしても、民主党主導の上院が後任候補を承認する見込みはほとんどない。

共和党が支配する機関でさえ、トランプ氏の1期目には極端と見なされたFRB人事を拒否した。今年は、ノースカロライナ州選出のトム・ティリス上院議員(共和党)が、政権がパウエル氏に対する刑事捜査を取り下げるまでウォーシュ氏の指名を保留した経緯がある。トランプ氏から圧力を受けた後、ティリス氏は再選出馬を見送り、同州は民主党のロイ・クーパー氏が制した。

FRB政治を扱った著書を持つパイロット・ウェーブ・ホールディングスのパートナー、マーク・スピンデル氏は、今回の選挙の影響に関する分析で、民主党が支配する上院は「今後のトランプ氏の指名候補を巡る承認環境を変え、FRBに異なる程度の政治的支援を与える可能性がある」と記した。FRBの独立性は「常に部分的に議会に依存してきた。上院からの制度的な支援は、政策当局者が政治的圧力ではなくインフレや雇用に基づいて決定を下す余地がどれだけあるかに影響を与え得る」と指摘した。

上院の委員会に加え、下院金融サービス委員会も民主党が支配することで、政権や現職のミシェル・ボウマン監督担当副議長が推し進める銀行・規制改革を巡る混乱も招きかねない。FRBはステーブルコインを規制する「ジーニアス法」などに関する規則を策定中で、ボウマン氏は最近、FRBの銀行監督体制の統合を打ち出した。

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