[ワシントン 4日 ロイター] - 3日投開票の米中間選挙では、野党・民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還したが、一部の選挙区で予想外の結果も見られたものの、カルシやポリマーケットなどの予測市場で全体的な結果がおおむね正確に見通されていたことが分かった。
今回の中間選挙では14億8000万ドル超が賭けられ、予測市場で示された勝敗確率が実際の選挙結果をどの程度正確に予測できるかを測る試金石になっていた。
接戦が予想された複数の上院選では数百万ドル規模の賭けが集まった。多くのケースで結果は市場予想に沿う形となり、民主党はテキサス州やオハイオ州で上院議席を獲得。一部では勝敗予想が外れた選挙区もあったが、数千万人の有権者がトランプ大統領に厳しい審判を下す中、民主党の上下両院制覇に賭けた参加者の多くは利益を得た。
デジタル資産取引プラットフォーム、タロスの調査責任者ケリー・イェ氏は「予測市場は数時間以内に中間選挙の結果を織り込んだ」と指摘。米ラトガース大学のハリー・クレーン教授(統計学)は「今回が真の意味で初めての予測市場選挙だった」とし、「市場は選挙戦終盤の数週間を通じて民主党優勢を予想し続け、投票結果が判明するにつれてリアルタイムで素早く反応した」と語った。
予測市場運営会社カルシの選挙関連市場の取引額は今回、25億ドルを超えた。大統領選を含んだ2024年の選挙サイクルでは13億ドルだった。
カルシの参加者は4月時点で、民主党が大勝する「ブルー・ツナミ」の確率を55%と見積もっていた。一方、事情に詳しい関係者によると、ポリマーケットの選挙予測は約98%の精度だった。
一方、市場予想が大きく外れた例としては、保守地盤のサウスカロライナ州の上院選が挙げられる。カルシとポリマーケットは3日午後時点で、故リンゼー・グラハム元上院議員の妹である共和党候補ダーリーン・グラハム氏が勝利する確率を70%と見積もっていた。しかし、民主党候補のアニー・アンドルーズ氏が勝利した。
米資産運用会社アネックス・ウェルス・マネジメントのブライアン・ジェイコブセン主席エコノミストは「予測市場は、単に意見を表明するのではなく、正しい予測をする動機を持った人々の見方を集約するため有用だ」と指摘。「情報全体がどの方向を示しているかを知る手掛かりにはなるが、予測は約束ではない。政治であれスポーツであれ、結果を知るには実際に選挙を行い、試合をしてみる必要がある」と述べた。
予測市場は2024年の米大統領選でトランプ氏勝利の可能性を示し、従来の世論調査と異なる見通しを示したことで注目を集めた。アナリストらは今週、その予測精度を注視していた。
市場運営会社は高い予測精度をうたう一方、米予備選やブラジル大統領選では予測外れの例もあり、完全ではないことも示されている。予測市場では、利用者が現実の出来事に連動する契約を売買し、その価格が参加者全体の予想を反映。ただ、投機的取引や流動性不足、大口投資家による集中した賭けによって確率が歪められる可能性があるとの指摘も出ている。