[ワシントン 4日 ロイター] - 米商務省が4日発表した9月の貿易赤字(季節調整済み)は前月比0.7%減の1050億ドルとなった。堅調な内需を背景に輸入が過去最高を記録したものの、赤字幅はわずかに縮小した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は1080億ドルだった。
今回の報告では、トランプ大統領による積極的な関税政策にもかかわらず、メキシコ、ベトナム、台湾、韓国など複数の国との財(モノ)の貿易赤字が過去最高を記録したことも示された。
9月の輸入は1.2%増の4266億ドルと過去最高を記録した。モノの輸入は1.3%増の3469億ドルと、こちらも過去最高となった。AI基盤の構築に伴い、コンピューターや同関連機器の輸入が増えたことが背景に、資本財の輸入は116億ドル増の1580億ドルと過去最高を記録した。半導体の輸入は12億ドル減少した。
消費財の輸入は24億ドル増加。医薬品が29億ドル増加したことが寄与した。工業用資材・原材料の輸入は37億ドル減少。非貨幣用金と原油の減少を反映した。非貨幣用金は国内総生産(GDP)の算定から除外される。石油を除く輸入は過去最高となった。
サービスの輸入は、旅行・輸送サービスの増加を背景に、8億ドル増の797億ドルと過去最高を記録した。
輸出は1.9%増の3215億ドル。モノの輸出は2.5%増の2110億ドルとなった。資本財の輸出は38億ドル増の733億ドルと過去最高を記録。コンピューター・同関連機器、民間航空機がけん引した。
食品・飲料の輸出は19億ドル増の160億ドルと、2022年6月以来の高水準となった。原油の輸出は12億ドル増加した。 一方、工業用資材・原材料の輸出は非貨幣用金の減少を受けて落ち込んだ。
サービスの輸出は7億ドル増の1105億ドルと、過去最高となった。旅行サービスと知的財産使用の増加が押し上げた。
トランプ大統領による積極的な関税政策にもかかわらず、貿易赤字は大幅な水準にとどまっている。米商務省が先週発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値によると、輸入は第3・四半期のGDP成長率を2.64%ポイント押し下げた。
3日投開票の米中間選挙では、不人気な対イラン戦争への強い不満や生活費高騰への不安、トランプ大統領の政権運営に対する怒りを背景に、民主党が上下両院の過半数を奪還した。内需は底堅い個人消費と、企業による人工知能(AI)への活発な投資が押し上げている。データセンター建設への反対も、共和党の選挙敗北の一因となった。
キャピタル・エコノミクスのシニア北米エコノミスト、トーマス・ライアン氏は「AIの拡充を支えるためのこうしたモノの大量輸入が、貿易赤字を現在の過去最高に近い水準まで拡大させた主因だ」と指摘。その上で「ただ、前夜に全米各地の知事選でAI懐疑派が相次いで勝利したことを踏まえると、このペースが今後も続くかどうかには疑問符が付く」と述べた。