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[ベオグラード/ミラノ/ブリュッセル/ティラナ 28日 ロイター] - 「私たちが燃えるなら、あなたたちも一緒に燃え尽きる!」──。ベルギーの首都ブリュッセルの学生、マヤ・グルデルさん(19)は机に向かい、国の指導者に向けたスローガンを書いていた。2012年の映画『ハンガー・ゲーム』のせりふで、世界各地の若者運動では象徴的な言葉として使われてきた。欧州全域でZ世代が主導する抗議デモを突き動かす怒り、挫折感、そして変革への望みを、この言葉が映し出している。

パリ郊外からセルビアの首都ベオグラードの広場に至るまで、何千もの人々が街頭に繰り出した。

要求の内容はさまざまだが、その多くは共通している。老朽化した学校施設、経済的機会の乏しさ、生活費の高騰、汚職、住宅問題、そして自分たちの声が聞き入れられていないという不満だ。こうした抗議は時に、暴力沙汰にも発展した。

セルビアでは、抗議が現実の変革をもたらした。25日の議会総選挙で、学生主導の新興政治勢力が、長期政権を率いたブチッチ氏率いる与党「セルビア進歩党」を倒す結果となったのだ。汚職や権威主義の進行に反発する運動は、2年近くも続いていた。

学生デモ参加者のスタシャ・ピレティッチさんは「朝、目が覚めて最初に感じたのは、間違いなく安堵(あんど)と自由だった。勝利を実感している。ようやく私たちは、抗議する側から責任を担う側へ移ったのだと思える」と語った。

<「怒りの爆発」>

抗議活動はイタリア北部ミラノでも行われている。学生のキアラさん(21)は「自発的な市民運動に加わることが重要だと思う。怒りの爆発が、人々を結束させたのだから。支配階級が私たちの世代にもたらした最大の損害は、将来を想像したり夢を見たりする可能性さえ奪ったことだと思う」と明かした。

キアラさんによると、イタリアの学生は教員不足や老朽化した校舎といった現実に直面している。

「さらには、自分の街から遠く離れた住みたくもない土地で、望んでもいない低賃金の仕事に就かざるを得ず、割高な狭小住宅で暮らす未来が見えている」と不安を口にした。

1997ー2012年頃に生まれたZ世代主導の抗議デモは、24年のバングラデシュ、25年のネパール、そして今年のインドに至るまで、世界各地で社会を動かしている。現在、その中心地は欧州だ。

25年に公表された欧州連合(EU)の調査によると、16歳から30歳の40%が物価上昇と生活費を懸念している。

また、25年にEU域内で貧困や社会的排除のリスクに直面していた9270万人のうち、リスクが最も高いとされたのは18ー24歳の若年成人で26.3%。65歳以上は18.8%で最も低かった。

若い世代は、投票率が比較的高い傾向にある高齢世代の財政的負担を背負わされることにも警戒感を強めている。シンクタンクのOFCEによると、フランスで60歳以上の人口は全体の4分の1だが、国全体の資産の約6割を所有している。

フランスでは、年金が最大の公的支出となっている。高齢化が進み、有権者が年金支給開始年齢の引き上げや給付削減に抵抗する中、国内総生産(GDP)の14%に達する勢いだ。25年の経済協力開発機構(OECD)のデータによると、この割合はギリシャやイタリアの約16%を下回るものの、4%に満たないオーストラリア、チリ、アイスランド、アイルランド、韓国に比べるとはるかに大きい。

<欧州の若者は団結>

パリ北郊の高校生、ビラル・ナルジッシさん(17)は、自分の学校の「劣悪な」環境や職員不足に対する抗議を続けている。ネズミが出たこともあるほか、昨年には校舎の中庭に面した屋根が崩れ、負傷者は出なかったものの学生らは避難する事態となったと話す。

「抗議活動が、欧州の若者が団結していること」を示したとナルジッシさんは言う。「若者は子ども扱いされ過ぎていて、その声に十分耳を傾けてもらえない。われわれは皆、その点で一致している。」と訴えた。

フランス政府が10月に公表した報告書によると、2000年から23年にかけて年金支出はGDP比で2.5%ポイント増加したのに対し、教育支出は0.5%ポイント減少した。また、教育省の予算の32%が年金に回され、他の分野の支出を圧迫していることも示された。

ブリュッセルのグルデルさんも、ベルギーの学校環境の改善を求めて抗議に参加している。

「穏健な活動をしようとしたが、誰も私たちの声を聞いてくれなかった。人々がごみを燃やすなどして初めて、メディアやカメラが私たちを映し始めた」と事情を説明する。

抗議の波はなお広がっている。今週末にはドイツで、生活費や不平等、戦争、学校の現状に関するデモが予定される。

混乱はアルバニアにも及んだ。汚職や雇用不足、教育水準の低さを背景に、ラマ首相率いる政権に反発する学生主導の抗議活動は、首都ティラナや各都市に広がった。

「首相は130日間にわたって、私たちの声に耳を貸さなかった」と語るのは、建築学を学ぶザイケ・クルティさん(19)だ。「アルバニアの学生に『将来の自分はどこにいると思うか』と尋ねれば、誰もが『この国以外』と答える」と話し、国内では才能があっても「コネのある人に必ず負けてしまう」と説明した。

セルビアの学生運動は、他の欧州諸国のデモ参加者が夢見る成果を実現させた。

ただ、これから待ち受けるのは、政権運営という厳しい現実だ。学生も、彼らが支持する候補者にとっても、未経験の領域となる。デモ参加者の一人、ルカ・ストヤコビッチさんはそうした懸念を一蹴した。

「政治経験のある人々が私たちをどこへ導いてきたか、これまでよく見てきた」

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