Jack Kim

[ソウル 29日 ロイター] - 北朝鮮政府の支援を受けるロシアの仲介業者ネットワークが、国連制裁に違反して北朝鮮労働者をロシアに送り込み、搾取的な条件下で働かせていると、人権団体が明らかにした。一部は、ロシアがウクライナ戦争で使用する物資を生産する工場で働いているという。

オランダ・ハーグに拠点を置くグローバル・ライツ・コンプライアンス(GRC)は報告書で、北朝鮮がこの事業から資金を得ていると指摘。ロシアに派遣された労働者が稼いだ賃金の大部分を取り上げ、報復をちらつかせて現地にとどまらせているとした。

ロシア人実業家が運営するこの事業に関する公開情報や、顔認証技術を用いた北朝鮮当局者の特定結果、雇用を検討する企業の担当者を装ったGRCの調査員が収集した証拠を根拠に挙げている。

同団体の法律顧問、エリーズ・ロリオ・プレボスト氏は「今回の調査は、両国の軍事的野心が危険な形で結び付いていることを明らかにした」とし、その野心とは「北朝鮮が兵器開発の資金獲得に海外での強制労働を用いていることと、ロシアが戦時経済を維持するために労働力への依存を強めていることだ」と述べた。

ロシア外務省と在モスクワの北朝鮮大使館はコメント要請に返答していない。

GRCによると、国連加盟国による北朝鮮労働者の雇用を禁じる制裁を回避するため、労働者は大学への入学を装って学生ビザでロシアに入国する。その後、ロシアの雇用主に派遣され、仲介業者は1人当たり最大15万ルーブル(1860ドル)の手数料を受け取るという。

GRCの調査員は雇用を検討する企業の担当者を装って調査し、軍用食料の工場を含む生産現場で北朝鮮労働者が雇われていることを確認した。

労働者は、本人や家族への報復をほのめかす脅しなどによって、働き続けることを強いられている。

GRCの報告書によると、北朝鮮はロシアに労働者を供給するネットワークの運営に直接関与しており、在モスクワ北朝鮮大使館の当局者が派遣先候補の職場を視察する様子が確認された。

GRCの主任調査員ディラン・カーター氏は「こうした労働者を雇う費用は決して安くないが、労働の対価として支払われた金のうち本人の手に渡るのは、あったとしてもごくわずかだ」とし、「その金は代わりに北朝鮮国家の懐を潤している」と述べた。

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