Manya Saini

[28日 ロイター] - 米人工知能(AI)大手アンソロピックの新規株式公開(IPO)申請を受け、予測市場では同社関連の契約が大量に取引されている。一方、株式を取引する個人投資家は、11月にも見込まれる上場を待っている。

予測市場での「イエス」か「ノー」かの二者択一の賭けは、個人投資家による注目IPOへの投機のあり方に影響を与えている。株式を購入せずに、終値や上場先などを予想して資金を投じることができるためだ。

資産管理・金融助言会社セリティー・パートナーズのパートナー、マイケル・アシュリー・シュルマン氏は「予測市場でアンソロピックのIPOに関心が集まる様子は、金融の世界で言えば、新型iPhoneの発売前にアップルストアの外に行列ができるようなものだ」と述べた。

アンソロピックは今週初め、IPO申請書類を公開し、上場に向けて大きく前進した。ロイターが報じたところによると、AIモデル「クロード」を開発する同社の上場時の評価額は1兆5000億─2兆ドルに達する可能性がある。

予測市場ポリマーケットでは、アンソロピックのIPOを巡って十数件を超える市場が立ち上がり、資金調達額や上場先の取引所、上場時の評価額に資金が投じられている。

競合のカルシでも、どの銀行が主幹事を務めるか、指数算出会社がアンソロピックをどの業種に分類するかなど、さまざまな予想に資金が集まっている。両プラットフォームの関連市場の取引額は計数千万ドルに上る。

シュルマン氏は「関心の強さを示す健全な兆候だ。こうした賭けは、最終的に公開市場で付く初値を市場参加者が見極める助けになる可能性がある」と述べた。

予測市場では、現実の出来事の結果に連動する契約を売買できる。取引参加者が各結果の実現確率を見極める中で、契約価格が変動する。

かつては主に政治や経済指標に関連していた予測市場は、ウォール街が従来担ってきた領域に進出しつつある。株価の動きや企業データなど、株価を動かす材料となる企業関連の出来事について、数万件の市場を提供していると、ロイターは9月に報じた。

ただ、IPO投資は長年、資金力のある機関投資家が主導してきた。イーロン・マスク氏率いるスペースXの上場など、近年は個人投資家の参加が広がっているものの、発行企業が個人投資家に割り当てる株式は依然として公開株のごく一部にとどまる。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「アンソロピックのIPOは、個人投資家と機関投資家の双方のAIへの投資意欲を測る重要な試金石になる」と述べた。

ポリマーケットでは、アンソロピックの上場時期に関する契約の取引額が、10月28日米東部時間午前9時30分(1330GMT、日本時間午後10時30分)時点で600万ドルに達した。同社の終値ベースの時価総額を予想する別の市場には、約300万ドルの取引が集まった。

ソスニック氏は「予測市場が、多くの投資家にとって金融リスク管理や投機の手法に欠かせない存在になりつつあることは明らかだ」と述べた。

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