Max A. Cherney Jeffrey Dastin Jody Godoy
[サンフランシスコ 28日 ロイター] - 米司法省は、米半導体設計大手エヌビディアが人工知能(AI)新興企業ハギングフェイスを129億3000万ドルで買収する計画について、AI分野の競争に及ぼす影響を聞き取りを行った。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。反トラスト法(独占禁止法)当局は、エヌビディアの事業慣行を巡り数年来続けている調査を進めている。
ハギングフェイスは、開発者などの利用者が自由にダウンロードやカスタマイズできるオープン型のAIモデルを共有するプラットフォームを運営している。
関係者2人によると、司法省による最近の聞き取りは、エヌビディアの買収や投資、販売慣行のほか、顧客に圧力をかけたかどうかを対象としている。司法省当局者は、ハギングフェイスの買収により、エヌビディアがAIの流通を支える重要な拠点を掌握できるようになるかを尋ねたという。
エヌビディアは、買収が2027年上半期に完了する見通しで、ハギングフェイスは引き続き幅広い半導体、クラウド、AIの各事業者との連携を支援するとしている。
ハギングフェイス買収を巡る司法省の聞き取りと、エヌビディアに対する調査継続の詳細が明らかになるのは今回が初めて。エヌビディアは、アンソロピックやオープンAIなど主要企業に出資する一方、AIの膨大な計算需要を自社の半導体で支えるため、世界各地でデータセンター開発を促し、テクノロジー経済とAIブームの中核を担う存在となっている。
司法省が何らかの措置を取れば、半導体業界に影響が広がり、AI分野での影響力を拡大してきたエヌビディアの投資・買収戦略が揺さぶられる可能性がある。政府による調査は不正行為の証拠ではなく、必ずしも提訴につながるわけではない。
エヌビディアはコメントを控えた。司法省とハギングフェイスの担当者は、コメント要請に直ちに応じなかった。
一連の調査は民主党のバイデン前大統領の政権下で始まり、共和党のトランプ米大統領の政権下でも続いている。この間、エヌビディアは時価総額で世界最大の企業となり、AI分野で突出した存在となった。トランプ氏が調査に関与していることを示す情報はなく、調査が司法省による何らかの措置につながらない可能性もある。
関係者の1人によると、司法省は調査の一環として、エヌビディアによるスケジMDの買収も調べている。2025年12月の買収を受け、AIの専門家の間では、国家安全保障に関わるスーパーコンピューターの運用を支えるスケジMDのオープンソースソフトウエアを引き続き利用できるか、懸念が浮上した。エヌビディアは、誰でも利用できる状態とサポートを維持すると約束している。
関係者によると、ハギングフェイスの買収計画を巡る聞き取りでは、エヌビディアが同社のAIプラットフォームをどのように利用してAI市場の競合に不利益を与え得るかや、買収した事業を交渉力の強化に利用できるかなどを確認している。
当局者はハギングフェイスの競合企業についても質問しているという。