[合肥(中国) 28日 ロイター] - ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は、中国で開発した技術を南米や南アフリカなどの海外市場に展開する。中国を重要な技術革新拠点として活用し、世界市場での競争力強化を目指す。

VWは28日、中国東部の合肥市にある研究開発拠点が中国企業と共同開発した電子制御基盤「チャイナ・エレクトロニック・アーキテクチャー(CEA)」を備える車台「コンパクト・メイン・プラットフォーム」を、グローバルサウス市場向けの次世代モデルに採用すると発表した。2020年代末までに南米で展開を開始する。

VWグループのオリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は声明で「中国はVWグループの技術革新を支える重要な原動力であり、世界市場に向けた製品・技術の拠点としても重要性を増している」と表明。「われわれはこれを『中国で、中国を超えて』と呼んでいる」と明らかにした。

今回の動きは、従来の「中国で、中国のために」という現地化戦略からの転換を示す。VWは中国販売の立て直しや、小鵬汽車(シャオペン)、地平線機器人(ホライズン・ロボティクス)など現地パートナーとの技術提携を商業的な成功につなげることに苦戦している。

VWは創業以来89年の歴史で最大の事業再編を進める中、中国事業をかつての利益の源泉から、コスト効率の高い開発・輸出拠点へと転換することを目指している。今後数年間で、中国製のVWブランド車とジェッタブランド車の南米・アフリカ向け輸出を増やす計画も発表した。

ゼネラル・モーターズ(GM)や現代自動車、ルノーなど既存の自動車メーカーも、国際市場で中国勢と競う中、中国で開発した技術を世界に展開する同様の戦略を採用する動きを加速させている。

VWは技術面の進展の一環として、850ボルトの急速充電に対応し、自動運転「レベル3」に対応する準備を整えた技術パッケージ「VEGA」も披露した。2027年の導入を予定している。

<縮小する市場シェア>

今回の戦略更新は、VWが中国での市場シェア低下に直面する中で行われた。中国では比亜迪(BYD)や吉利汽車などの国内勢が、電気自動車(EV)やソフトウエア、価格競争で外資勢をしのいでいる。

VWがこれまで対応策として進めてきたのが「中国で、中国のために」という現地化戦略だった。同グループによると、開発の現地化により開発期間を最大30%短縮できる。また、小鵬と共同開発したCEAは、複数の車台や駆動方式にわたって、ソフトウエアで機能を制御・更新する車両を支えることを目指している。

VWは現在の中国での新車投入攻勢を、同市場で「主導権を取り戻す」取り組みの一環と位置付けている。

中国で開発したモデルの投入先候補として東南アジア、中南米、アフリカを挙げる一方、欧州と北米は当面対象から外している。

こうした方針は、中国自動車メーカーの動きと重なる。中国勢は国内競争の激化や生産能力の拡大を背景に、自国市場での成長維持が難しくなる中、輸出を一段と積極化している。

VWの中国事業トップ、ラルフ・ブランドシュテッター氏は、中国の乗用車市場が2026年に20%、台数にして約450万台縮小すると予想している。

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