資源循環から動物福祉へ、広がる効果
Terminalがこれまでに回収・提供したペットフード等は、2026年10月27日現在で累計1万6677個に上り、19の動物愛護団体等へ無償で届けられている。
その効果は数字だけでは測れない。多頭飼育崩壊現場から保護した猫たちのフードが不足していた団体では、Terminalの提供物資によって必要なフードを確保し、猫たちを無事に新しい家族のもとへ送り出すことができたという。登録団体へのアンケートでも、物資支援によって浮いた時間や資金の主な使途として、83.3%が「医療費やフード費の補填」と回答している。調達負担の軽減が、保護現場における医療やケアの質を高める確かな余力へと転換されているのだ。
平時に培ったネットワークは、有事の際にも力を発揮する。能登半島地震では1442個、令和8年熊本地震では1227個のペットフード等を被災地へ緊急支援した。2025年には愛知県獣医師会と災害時の物資譲渡に関する合意書を締結し、2026年4月には愛知県、愛知県獣医師会、Terminalの3者でペットフードロス削減の推進に向けた連携協定を締結した。
さらには、2026年10月に既存の地域資源を組み替えや専門家のルール・チェック体制が隅々まで行き届いた設計と評価され、グッドデザイン賞を、資源循環の促進に関する優れた活動を実施している団体として、持続可能な社会づくり活動表彰[資源循環活動賞]を受賞するに至った。
見据えるのは、このモデルを全国へ広げることだ。回収から提供までを近接エリアで完結させる「地域完結型」の循環を基本単位とし、愛知県で培った協定書テンプレート、審査プロトコル、運用マニュアルを各地域の実情に合わせて調整していく。2031年までに全国の自治体への展開を目指している。
新たな資源を無理に生み出さなくても、社会の中に眠る価値をつなぎ直すことで解決できる課題がある。本来なら捨てられるはずだった1袋のフードが、今を生きる命をつなぐ糧になる。
Terminalの挑戦は、真のサステナビリティとは「新しく何をつくるか」だけでなく、「今あるものをどう生かすか」にあるという本質を物語っている。
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