※あのニュースはどんな業界に影響するのか、あの企業の株価が動いたのはなぜか……。連載「ニュースで読み解く!注目株」では、株式市場を知り尽くした執筆陣が、いま注目すべき銘柄や相場の展開を解説します。 

10月22日の東京株式市場では、アメリカ市場のハイテク株安や半導体関連株の急落が重荷となり、日経平均株価は前日比1,713.40円安(終値62,907.84円)と大幅に反落しました。

市場全体でリスク回避の姿勢が強まるなか、逆行高を演じて猛烈な買いを集めたのが、サイバーセキュリティー関連銘柄です。全体相場が崩れる局面でも、テーマ性と需要の確かさを背景に資金が向かった格好です。

PHP脆弱性の公表が買いの引き金に

直接のきっかけとなったのは、世界中のウェブサイトの約7割で使われているプログラミング言語「PHP」に深刻な脆弱性が見つかったと公表されたことです。国内でも、高市首相や国家サイバー統括室(NCO)が迅速な対応を呼び掛ける事態となり、多くのサイトがサービスを一時停止するなど影響が広がりました。

この突発的な障害を受け、企業によるシステム点検や脆弱性診断、防御、監視・運用への投資需要が急速に高まるとの見方から、関連株に資金が集中しました。

構造的な背景もあります。生成AIなどを悪用したサイバー攻撃が日本企業や世界の組織に広がり、攻撃側と防御側の双方がAIを導入する「AI軍拡競争」の様相を呈しています。AIの急速な普及が不正アクセスや情報漏洩に拍車をかけるなか、国や企業にとってセキュリティー投資は急務となっています。

追い風を受けるサイバーセキュリティー関連5銘柄

PHP脆弱性の発覚による緊急対策の需要と、AI時代の防御ニーズという2つの追い風を受ける主要5銘柄について、事業内容や足元の値動き、今後の注目点を見ていきます。

■トレンドマイクロ(4704)

東証プライム上場のトレンドマイクロは国内セキュリティーソフトの草分けで、「ウイルスバスター」で高い知名度を持つ大型株です。サーバーやクラウド環境の保護を手掛け、システムの脆弱性を突く攻撃を未然に遮断する「仮想パッチ」機能を提供しています。

今回のPHP脆弱性問題は事業上の接点が極めて強く、対策需要の受け皿として評価されました。10月22日は日経平均採用銘柄の多くが大幅安となるなかで前日比8.69%高と続伸し、日経平均の下支え役として寄与度上位に入りました。

AI軍拡競争における防御側の主要銘柄にも位置付けられ、機関投資家の実需買いを集めやすい中核銘柄です。大型主力株ならではの安心感も、波乱相場で資金の逃避先として選ばれた理由のひとつと言えます。

1週間で株価が2倍になった銘柄も
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