Tomo Uetake
[東京 22日 ロイター] - 第一生命保険は22日、2026年度下期の一般勘定資産の運用について、円建て債券は上期に続いてポートフォリオの入れ替えを中心とし、残高は上期が増加したこともあり下期は減少し、通年度で横ばいとする計画を示した。上期に金利上昇局面で債券の入れ替えを加速したことから、通年度では期初に示した目線である「1兆円」を上回る規模のリバランスを想定している。
市村直人運用企画部長が資産運用計画説明会で明らかにした。
資産別の計画のうち円債については、金利動向やキャッシュフローを踏まえた責任準備金対応債券の入れ替えが中心で、残高は年度を通じて横ばいを見込む。上期は残高が若干増加したが、下期は「デュレーション調整の観点から、一部の短い債券についてはクレジット投資への振り向けも想定」(市村氏)しており、減少するという。
第一生命では今年度の入れ替え規模について、期初時点では前年度実績の「1兆円が一つの目線」と説明していたが、市村氏は、第1・四半期のリバランスが約5000億円に上ったとして、通年度の規模は当初想定を上振れそうだとの見通しを示した。
国債投資の対象年限について、市村氏は「キャッシュフロー・マッチングを進める中で、20年から30年の少し手前のところで負債対比で資産サイドが超過している状況なので、比較的売り目線。一方、買いは30年から40年を想定しているのが基本形だが、負債サイドのキャッシュフローを見ながら資産サイドを調整するため、必ずしもその年限を集中して購入するわけではない」と述べた。
第一生命では日銀の金融政策について、経済・為替動向などを見極めつつ、12月の会合で次の利上げに動くと想定。その後はおおむね3カ月に1回のペースで利上げを継続し、ターミナルレートは2.0%程度とみている。また年度末の円金利見通しは、10年が3.10%と足元の2.89%から小幅上昇、30年は4.10%と足元の3.89%から小幅上昇と、ここからの上昇余地は大きくないとの見方だ。
国内金利が想定より上振れた局面では「基本的には入れ替えペースを加速する。大きく積み増していくことまでは現時点で考えていない」(市村氏)という。
外国債券のうち、「円債代替」である為替ヘッジ付き外債は、円資産対比でヘッジ後の利回り妙味をみて選択的に入れ替えを行う。残高は下期は償還もあるため減少、通年度では横ばいを見込む。オープン外債は、為替水準的に投資妙味が乏しいとの見方から、上期に続いて下期も残高を減らす。
一方、国内株式はリスク削減のため、上期に続き下期も残高を圧縮する。また外国株式は株価動向を踏まえた入れ替えを継続し、残高は下期が減少、通期では横ばいとする方針。
オルタナティブ資産は、ヘッジファンドやリアルアセット、プライベート・エクイティ、プライベート・デットのそれぞれに資金配分して積み増す計画。不動産も、賃料上昇が見込める物件への新規投資や入れ替えにより、残高を増加させる。
このほか、同社では今年度から一般勘定の運用ポートフォリオへの金(ゴールド)の組み入れを開始した。足元でインフレ圧力や地政学的リスクが高まる中、長期的な分散投資の確保などを目的として、段階的に積み増す計画。市村氏は「ポートフォリオの中でそれほど大きな規模になることは想定していない。3年程度の中期的にみて1%が一つの目安」との考えを示した。
第一生命の一般勘定の資産残高は、3月末時点で33兆9165億円。うち外貨建て資産は4兆5862億円(13.5%)。
2026年度下期の相場見通し(レンジと年度末)は以下の通り。
日本国債10年物利回り 2.75―3.25%(年度末3.10%)
日本国債30年物利回り 3.75―4.25%(年度末4.10%)
米国債10年物利回り 4.50―5.50%(同5.00%)
日経平均株価 6万―7万5000円(同6万8000円)
NYダウ 5万─5万7000ドル(同5万3500ドル)
ドル/円 140―162円 (同158円)
ユーロ/円 170―190円 (同179円)