年下を「師匠」にできるか──肩書きを手放す人間関係

──会社以外で新しい友人を作る機会がなかなかないという声もよく聞きますが、特に自分より若い世代とのつながりを作るためのアドバイスはありますか。

新しいことを始めるなら、その分野では相手のほうが上です。相手が20代であれ30代であれ「師匠」で、年齢は関係ない。ところが会社に長く勤めていると、年齢による上下関係に慣れてしまい、50代になって人から教わるという経験が少なくなります。新しいコミュニティに入るときには、年齢や肩書きをいったん全部手放して、相手から教わろうと謙虚に思えるかどうかが大事です。

親を見ているとわかりますが、同年代の友人とだけ交流していると、年齢を重ねるにつれて自然と友人の数が減っていきます。年下の友人がいると、自分とは違う価値観や、知らなかった世界にも触れられます。年齢を越えて教え合える関係を持つことが、これからますます大事になると思います。

傾聴の大切さに気づかされた『人を動かす』

──本田さんのキャリアや価値観に大きな影響を与えた本は何でしたか。

外資系企業で営業をしていた社会人一年目の頃に読んだ、カーネギーの『人を動かす』です。最初はうまくいかなかった時期に、尊敬する上司がすすめてくれました。この本を読んだことで営業の仕方も考え方も一気に変わったんです。

当時は自社商品の良さをお客様に説明しなければと思い込んでいました。ですが、『人を動かす』では「相手の話をとにかく傾聴しなさい」とあり、その通りにしたらうまくいくようになっていった。話を聴くことで業界の課題がわかるようになり、「相談される存在」になっていけたんです。

今でも人と話すときは、半分以上は聴くように心がけています。そのほうが、新たなインプットができて楽しいですしね。

『人を動かす』
 著者:D・カーネギー
 翻訳:山口博
 出版社:創元社
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10年後、20年後を見据えて、次の実験へ
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