Andrew Goudsward Aditya Soni

[ワシントン 19日 ロイター] - 米連邦検察は、人工知能(AI)開発企業オープンAIの幹部用会議室に録音装置を設置したとして起訴した元従業員のアブドルラフマン・アルフォザン被告(35)が、サウジアラビア政府から相当な支援を受けていたと、裁判所に提出した書面で明らかにした。

公開された書面によると、検察はアルフォザン被告がサウジ王室の一員と頻繁に連絡を取っていたほか、逮捕後にはサウジ軍関係者が被告の妻と幼い息子のサウジ帰国用片道航空券を手配したと主張している。

検察は被告に逃亡の恐れがあるとして、公判まで身柄拘束を継続するよう連邦地裁に要請した。アルフォザン被告はサウジ国籍で米国永住権を持つ。

また検察は拘束請求書面で「被告は特別に設計された暗号化録音装置を用い、オープンAIの上級幹部や経営陣、重要な取引先、政府関係者らが出席する極めて機密性の高い会議を秘密裏に録音するため、多大な労力を費やした」と指摘した。

サウジ政府当局はコメント要請に回答せず、アルフォザン被告の弁護士も現時点でコメントしていない。

一方、弁護側のウィリアム・パーニク弁護士は、GPSによる行動監視や旅券返納などを条件に保釈を求めており、被告は過去15年間を米国で過ごし、市民権取得も申請済みだと述べている。今月予定されていたサウジ渡航については捜査対象となる前から手配されており、「家族および移民手続き上の理由」によるものだったと説明した。

米検察は先週、アルフォザン被告を通信傍受罪で起訴した。刑事告発状によると、被告はサンフランシスコにあるオープンAI社屋内の幹部用会議室で、テレビの背面に録音装置を接続した。装置が設置されていた時期には政府関係者が出席する会議も同会議室で開かれていたとされる。

さらに検察は捜査が継続中であり、追加起訴の可能性もあるとしている。

提出書面によれば、サウジ王室の一員は被告に対し、サウジ国内のAI関連職への就任を打診するとともに「サウジは米国以上にあなたを必要としている」とメッセージを送信。被告は「100(100%同意する)」と返信したとされる。

逮捕前にアルフォザン被告は育児休暇の一環としてサウジ首都リヤドへ渡航し、約2カ月間滞在する予定だった。検察によると、被告の妻は捜査当局に対し、自身と息子はサウジへ恒久的に移住する計画で、被告も最終的には合流する意向だったと説明した。

被告は先月、アラビア語のポッドキャスト番組に出演し、年に3-4回サウジを訪問しているほか、現地のスタートアップ企業へ助言やメンタリングを行っていると語っていた。2016年にシリコンバレーで当時副皇太子だったムハンマド皇太子と面会したことをきっかけに、一流テクノロジー企業で経験を積み、その知識と技術を祖国へ持ち帰りたいと考えるようになったとも話している。

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