475社へ広がった「数の力」、次は消費者の日常へ

コーヒーを扱う三本珈琲株式会社は2022年、レッドカップキャンペーンの対象商品「SUNSHINE BLEND」を開発し、「SUNSHINE COFFEE PROJECT」に参加した。まずはBtoB向けに商品を販売し、取引先とともに学校給食支援の輪を広げてきたのだ。

初年度の2022年度に75社だった参加企業は、2023年度末に181社、2024年度末には341社へ増加。その後も賛同は増え続け、2026年3月時点では475社に達した。

単独の企業だけで支援するのではなく、取引先を巻き込みながら「数の力」を大きくしてきたことが、このプロジェクトの特徴だ。

その広がりを支えてきたのが、参加へのハードルを下げる地道な工夫だ。三本珈琲では、対象商品を採用するBtoB顧客に対し、独自のレッドカップキャンペーン告知POPを提供してきた。ホテルや飲食店などの店頭で取り組みを伝えやすくすることで、取引先側の告知負担を抑えつつ、一般消費者がキャンペーンを知る接点を増やしてきた。

量販店でのPR活動の様子:お買い物でできる貢献をアピール
量販店でのPR活動の様子:お買い物でできる貢献をアピール

そして近年、その活動はBtoBからBtoCへと広がっている。量販店などで一般消費者に向けた店頭イベントやPRを実施し、「買い物でできる貢献」を直接伝える機会が増加しているのだ。

サステナビリティ推進室の正木陽子氏が語る、顧客網を生かした「数の力」でキャンペーンを広げるという狙いが、475社という数字だけでなく、消費者との接点の拡大にも表れ始めている。

今後も三本珈琲は、レッドカップキャンペーン対象商品の販売によって途上国へ学校給食を届けるとともに、取引先との連携を通じてキャンペーンの認知度向上を図る考えだ。

地球規模の課題解決が必ずしも特別な行動から始まるわけではなく、日常の「買い物」も、商品が持つ背景を知って選べばエシカル消費となり、遠く離れた産地の未来につながり得るということを伝えようとしている。

一杯のコーヒーを飲む。その何気ない行動の先に、生産者の暮らしと子どもたちの学校給食がある。475社へと広がった支援の輪がさらに消費者の日常へ浸透していけば、コーヒーを楽しむ時間そのものが、産地と未来を支える時間へと変わっていくのかもしれない。

◇ ◇ ◇

アンケート

どの企業も試行錯誤しながら、サステナビリティの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

アンケートはこちら

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 米中間選挙 トランプの憂鬱
2026年10月27日号(10月20日発売)は「米中間選挙 トランプの憂鬱」特集。

インフレ&終わらない戦争で中間選挙は敗北必至。米経済/戦争/関税/次期大統領選……はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます