日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。
2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。
先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。
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日本では、まだ食べられる食品が廃棄される食品ロスが大きな課題として残っている。令和6年推計値では、国内の食品ロス量は年間461万トン。国民1人当たりに換算すると1日102グラム、おにぎり約1個分に相当し、この水準は近年ほぼ横ばいで推移している。
一方、世界に目を向ければ、食料不安や栄養不足に苦しむ人々がいる。赤道から南北25度に広がる「コーヒーベルト」には、食料に不安を抱える人口の割合が高い地域が多い。
この2つの問題に立ち向かう企業がある。神奈川県横浜市に本社を構える三本珈琲株式会社だ。
目指すのは「二重の還元」
コーヒーを事業の中心に据える三本珈琲にとって、コーヒーの生産国の暮らしや持続可能性は、自社の将来とも切り離せない喫緊の課題だ。
ただ、日本で余った食品を、そのまま食料が必要な途上国へ届けることは現状では難しい。
そこで三本珈琲が活用しているのが、国連WFP協会による寄付付き商品キャンペーンの「レッドカップキャンペーン」だ。レッドカップマークの付いた商品を購入すると、売上の一部が途上国の学校給食支援に寄付される仕組みとなっている。
三本珈琲が目指すのは、日本で生まれる「もったいない」という思いを別の形で支援へ転換することだ。途上国で生産されたコーヒー生豆を購入することで産地の経済活動を支え、さらにそのコーヒーの売上から学校給食を届ける。「コーヒー生豆が売れること」と「コーヒーの売上によって学校給食が届くこと」という「二重の還元」を生み出す考え方だ。
学校給食支援が安定して続けば、子どもたちを支えるだけでなく、コーヒー産地そのものの持続可能性向上にもつながることが期待される。一見すると遠く離れている日本の食品ロスへの問題意識と途上国の食料不安を、一杯のコーヒーを介して結び付ける。それこそが三本珈琲の取り組みの出発点だ。