[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリア統計局が15日発表した9月の雇用統計は、就業者数が市場予想に反して減少し、失業率は5年ぶりの高水準にとどまった。これを受け、市場ではオーストラリア準備銀行(中央銀行)による追加利上げ観測が後退した。
9月の就業者数は前月比3万9300人減少し、昨年2月以来の落ち込み幅となった。8月は2万9300人増に下方改定された。アナリストは9月に約2万人の増加を予想していた。フルタイム就業者数が3万4400人増加した一方、パートタイム就業者数が7万3700人減少した。
失業率は4.7%で横ばいだった。前月分は当初発表の4.6%から上方改定された。労働参加率は66.8%に低下した一方、労働時間は0.1%増加し、不完全雇用率は6.3%に小幅上昇した。
市場が織り込む11月の金利据え置き確率は、統計発表前の66%から約90%に上昇した。12月の利上げ確率も31%に低下し、追加利上げはもはや完全には織り込まれていない。
豪ドルは0.3%安の0.6953米ドル。3年債先物は11ティック上昇し95.19と5週間ぶりの高水準となった。
13日に公表された9月の理事会議事要旨によると、中銀は調査手法の変更を踏まえ、月次雇用統計の解釈には注意が必要だと指摘。求人広告など先行性の高い指標は、労働市場が総じて安定していることを示していると論じた。しかし失業率は、政策当局者が27年末まで想定していなかった水準に達した。
オックスフォード・エコノミクス・オーストラリアのエコノミスト、オスカー・ガス氏は「失業率が4.7%に上昇したことで、中銀は追加利上げ前に時間をかけて今後のインフレ指標を見極める余地が広がった」と指摘。「原油価格ショックと金融引き締めが時間差を伴って引き続き労働市場に影響を及ぼすため、失業率は2027年を通じてさらに上昇し、同年終盤には4.8%を超えると予想する」と述べた。
ムーディーズ・アナリティクスの豪経済責任者、サニー・グエン氏は「企業はフルタイム従業員を維持しつつ、まずシフトや臨時雇用の労働時間を削っている。採用減速の初期に見られる典型的なパターンだ」と指摘。「今後発表される四半期消費者物価指数(CPI)統計が大幅に上振れしない限り、11月は据え置きを予想する」と述べた。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントのアジア太平洋地域エコノミスト、クリシュナ・ビマバラプ氏はリポートで「RBAが今すぐ利上げするハードルはかなり上がったが、追加引き締めの可能性は排除しない」と述べた。その上で「政策面のトレードオフは一段と難しくなっている。RBAがインフレとの戦いを終わらせようとしているまさにその時に、労働市場がより明確な弱さの兆しを見せ始めている」と述べた。