Sergio Goncalves Joanna Plucinska
[リスボン 14日 ロイター] - ポルトガル政府は14日、国有企業のTAPポルトガル航空の株式の最大49.9%をドイツのルフトハンザ航空に売却すると発表した。取得額は12億ユーロ(約13億ドル)となる見込みで、ルフトハンザはTAPの戦略的な提携相手となる。
TAPを巡っては、欧州航空大手のエールフランスKLMも株式取得を目指して競っていた。ポルトガルのルイス・モンテネグロ首相は記者会見で、ルフトハンザの落札額がエールフランスKLMの提示額を16%上回っていたと明らかにした。
イラン戦争でジェット燃料価格が高騰しているのを受け、アナリストや業界幹部らは、規模が大きくて資本力のある航空グループが経営基盤の弱い航空会社との提携を加速する可能性が高いと指摘している。
オーストリア航空、イタリアのITAエアウェイズ(旧アリタリア航空)、スイス航空などを傘下に持つルフトハンザはTAPの提携相手になることで、欧州南西部や世界の他地域へのアクセスを拡大できる。航空アナリストのジョン・ストリックランド氏はロイターに対して「これによってルフトハンザは影響力が及んでいない地域で、新たなハブ(拠点)空港を得ることになる」と指摘。一方で「ルフトハンザは依然として赤字を計上しており、まずは自社の経営を立て直さなければならない」と言及した。
TAPはリスボン空港にブラジル、アフリカのポルトガル語圏諸国、米国を結ぶ路線の発着枠を抱えている。これらの路線はポルトガルへの観光や投資を呼び込んでいる。
発表に先立ってリスボンで開催された世界航空フェスティバルで講演したTAPのルイス・ロドリゲス最高経営責任者(CEO)は、大規模なグループに加わることで「より大きな経営資源を、より有利な条件で活用できる」と語った。
ポルトガル政府はリスボン空港だけではなく、ポルト、ファロ、アゾレス諸島、マデイラ島を含めた国内空港の運航網拡大を求めている。インフラ相のミゲル・ピント・ルス氏は、ルフトハンザが35年までにTAPの航空機を117機に増強し、リスボンの新空港の運用開始が見込まれる2035年以降は130機に増やすことを約束したと表明した。
TAPは今年6月時点で101機を運用し、世界の93地点を結んでいる。うち欧州が52地点、中南米が16地点、アフリカが14地点、北米が11地点。26年上半期の旅客数は約820万人と過去最高になり、前年同期比で4.2%伸びた。26年上半期の売上高に当たる営業収益は4.3%増えた。