Leika Kihara

[バンコク 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は15日、アジアの経済成長が2027年に減速するとの見通しを示した。イラン戦争に伴うエネルギーショックや人工知能(AI)ブームの調整の可能性、世界的な債券利回り上昇の波及によるリスクが高まっていると警告した。

アジア太平洋地域の経済見通しに関する報告書で、米金融政策の先行きを巡る不確実性により、アジアの金融市場で不安定な動きが続く可能性も指摘した。

「今年のエネルギーショック以降、為替相場と資本フローの変動が大きくなっている」とし、複数の新興国で通貨の下落圧力が生じていると指摘。

域内への投資資金流入は総じて底堅さを維持しているものの、同時に韓国のハイテク株などからの資金の流出も生じているとした。

また「米金融政策のスタンスは年内さらに引き締められる見通しだ。主要先進国の大半で金融引き締めと財政面の圧力が重なり、アジア太平洋地域全体の利回りに上昇圧力をかけ続ける可能性が高い」とした。

アジア経済の成長率は26年が4.8%、27年は4.4%との見通しを示した。4月時点の予測から上方修正したが、25年の5.0%からは減速する見通しだ。

上方修正は主に、AIブームによるアジア先進国の成長押し上げを反映した。アジア先進国の成長率は25年の2.5%から、26年には3.2%に加速すると予想した。

アジア新興国は引き続き域内の主な成長けん引役だが、エネルギー価格上昇の打撃により、成長率は25年の5.6%から26年には5.1%に鈍化する見通しとした。

IMFは、中東紛争の膠着状態が長引けば、コモディティー(商品)価格が高止まりし、石油備蓄が枯渇する可能性があるとして、「見通しを巡るリスクは引き続き下振れ方向に傾いている」との見方を示した。

また、AI需要の調整は世界の成長を下押しする可能性があり、AI関連の生産網との関わりが深いアジアでは、その影響が特に顕著になる恐れがあるとした。

世界的に債券利回りが上昇する中、米英日、ユーロ圏など主要な国債発行国・地域の市場で生じたストレスがアジアの債券市場に波及し、利回りを押し上げ、既に高まっている財政の脆弱性を一段と悪化させる恐れがあるとも指摘した。

「域内の多くの国・地域で公的債務と資金調達需要が高水準にある中、金融環境が急激に引き締まれば、債務返済コストが増加し、財政が一段と圧迫される可能性がある」とした。

アジアの中央銀行は引き続き物価安定を重視し、インフレ圧力がより持続的になった場合には「速やかに対応」すべきだと述べた。

財政政策については、対象を絞った一時的な措置にすべきとし、より大きなコストを伴う恐れのある一律の燃料補助金や価格統制を回避するよう促した。

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