Manoj Kumar
[ニューデリー 14日 ロイター] - カナダのアナンド外相は14日、ロイターのインタビューで、インドとの包括的経済連携協定(CEPA)の年内妥結と欧州連合(EU)との関係強化を急いでいると明らかにした。トランプ米大統領の保護主義的な通商政策を受けて米国依存を減らす狙いだ。
こうした取り組みはカーニー首相が進める貿易多角化戦略の柱で、EUや中国、その他の国々との結び付きを強める一方、米国とは貿易、防衛、安全保障分野での協力維持を目指す。
アナンド氏はインド首都ニューデリーのカナダ高等弁務官事務所でインタビューに応じて「インドとの包括的経済連携協定は貿易多角化戦略の一環であり、年内妥結を目指している。カナダは今後10年間で対米以外の貿易を倍増させる目標を掲げている」と語った。
またアナンド氏によると、カナダとEUは今月後半の首脳会議で、重要鉱物、エネルギー、人工知能(AI)分野での協力について協議する見通しだ。双方は既存の包括的経済貿易協定(CETA)に基づく関係をさらに発展させる。
カナダは貿易相手の多様化を進めており、昨年インドネシアと自由貿易協定(FTA)を締結したほか、今年は東南アジア諸国連合(ASEAN)との協定締結も目指している。これまでに51カ国、約15億人の消費者を対象とする15の通商協定を締結済みだ。
アナンド氏は「これは国家の強靱性と主権に関わる問題だ。経済的な強靱性を一国に依存しない体制を確保する必要がある」と強調した。
インドとの協定交渉については順調に進展していて、先週はインドの通商交渉団がカナダを訪問し、現在はシドゥ国際貿易相が経済使節団を率いてインドを訪れていると説明した。カーニー首相とモディ首相も協定について協議しており、モディ氏は12月にカナダを訪問する見通しだという。
カナダ政府は、協定が実現すれば両国間の財・サービス貿易額が昨年の304億カナダドルから、2030年までに年間700億カナダドル超へ拡大する可能性があると見込んでいる。昨年の対インドの財貿易額は109億カナダドルで、カナダの対インド輸出は前年比26.5%減少した一方、輸入は18.9%増加した。
カナダとインドは、23年にカナダで発生したシーク教分離独立派指導者ハーディープ・シン・ニジャール氏殺害事件を巡る外交対立を経て、関係修復を進めている。
アナンド氏は、関係正常化は段階的なプロセスであり、国家安全保障と法の支配がその中心になると説明した上で「われわれは主権と強靱性について語っている。今後もその点に重点を置き続ける必要がある」と付け加えた。