[バンコク 14日 ロイター] - 欧州連合(EU)のドムブロフスキス欧州委員(経済担当)は、ユーロ圏で新たなソブリン債務危機の兆候は見られないものの、政府・企業の借り入れ増加やインフレ期待の高まりを背景に債務コストが上昇しており、各国政府は慎重な財政運営を行う必要があると述べた。バンコクで開かれている国際通貨基金(IMF)の会合でロイターの取材に応じた。

仏10年債の対独連邦債利回り差は、過去最大の140ベーシスポイント(bp)近辺で推移している。フランスの高水準の債務と財政赤字に対する懸念に加え、赤字削減に向けた予算案が議会で可決されるかどうかを巡る不透明感が背景にある。

ユーロ圏を崩壊寸前に追い込んだ2010─12年の混乱に続く、新たな欧州ソブリン債務危機の兆しがあるかとの質問に、ドムブロフスキス氏は「ない。ただ、財政政策について慎重になる必要があるのは明らかだ」と述べた。

「これはわれわれがEU加盟国に行っている助言であり、IMFが国際社会全体に行っている助言とも非常に整合的だ」とした。

フランスの27年度予算案は、財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を今年度の5.4%から27年度には5%に縮小させることを目指している。ただ、27年4─5月の大統領選に向けた選挙戦により、予算案の成立は不透明になっている。

ドムブロフスキス氏は「フランスは27年に向けて野心的な予算案を提示した。この予算案を適切な時期に成立させ、フランスの財政見通しの明確さと安定性を示すことが重要だ」と述べた。

他のEU諸国も債務問題を抱えていると指摘したが、欧州の政府債務は現在、平均償還年限が長いため、利回り上昇によって債務返済負担が大幅に増加するまでに、各国政府には対策を講じる時間があるとの見方を示した。

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