Panu Wongcha-um Devjyot Ghoshal
[バンコク 14日 ロイター] - ホルムズ海峡を経由する肥料輸送を円滑化するために国連が設置したタスクフォースを統括するモレイラ・ダ・シルバ氏は14日、米国とイランが数週間以内に合意に至らなければ、支援計画に基づく肥料輸送の途絶により、アジアやアフリカの一部で食料安全保障の危機を招く恐れがあると明らかにした。バンコクで開かれている国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会の場で、インタビューに応じた。
国連は今年3月にタスクフォースを設置。計画では、オマーンの調整センターで船舶の登録や安全な航行に向けた調整をした上で、ペルシャ湾沿岸の港では国連監視員が現地当局と協力して積み込みを検証する枠組みとしていた。
同氏は、米イランの合意が成立すれば、7─10日以内にこの枠組みを動かすことができると説明。「今後数週間以内に合意に達することは極めて重要だ」とし、「作付け時期を逃せば、農業の生産性は大幅に低下し、価格への影響も顕著になる」と指摘した。海峡を通過する船舶が1日当たり5隻程度でも、肥料を必要とする国々への供給を続けられるという。
ホルムズ海峡は、米イラン交戦前、世界貿易の約3分の1の尿素肥料を輸送する主要ルートとなっていた。国際食料政策研究所(IFPRI)は今年9月、交戦開始から半年以上の間、湾岸地域からの肥料の輸送はほぼ停止したままだと報告している。
国際商業会議所(ICC)の8月の報告によると、海峡での混乱が続けば、穀物の価格が最大81%、油糧作物が66%、畜産物が30%、それぞれ上昇する可能性があるという。