Tamiyuki Kihara
[東京 14日 ロイター] - 簗和生農林水産相(自民党衆院議員、比例北関東ブロック)が14日、辞任した。道路予算の削減発言などをめぐって与野党から批判が高まる中、消費税減税法案の国会審議への影響が懸念されていた。高市氏は記者団に「任命責任を重く受け止めている」と語った。
簗氏は同日夕に首相官邸を訪れて辞表を提出した。受理した高市氏は記者団に、「首相として国会審議、農林水産行政に集中できない状況が続くことは看過できない」と理由を説明した。後任の農水相は「明日(15日)お伝えする」とも語った。
高市氏は、辞任はあくまで簗氏の意向によるものだと強調し、更迭との見方を否定。自身の任命責任に何度か言及する一方、「今後、消費税・支援金法案、中東情勢への対応、責任ある積極財政を実現するための予算編成など重要な課題に一つひとつ答えを出していく」とし、改めて政策実現に注力する考えを示した。
これに先立ち、簗氏は官邸で記者団に「国会審議で迷惑をこれ以上かけるわけにもいかないし、農林水産行政に集中できない状況がこれ以上続くということは避けなければいけない」と説明。「自ら決断をした」と語った。
高市氏は一度は簗氏を続投させる方針を示したものの、地元自治体への「予算カット」発言に加え、公職選挙法違反の疑惑が浮上したことなどから、辞任の必要性について検討していた。
簗氏は大臣就任前の5月、栃木県内で開かれた党支部の懇親会で、2月の衆院選で首長が対立候補を支援した那須烏山市と那珂川町について、2026年度の道路予算を「大幅にカットした」などと発言。与野党から、国会議員による地方自治体への圧力だとの批判や、行政の公平性を疑問視する声が噴出した。
簗氏は国土交通省への働きかけを否定し、10月5日に発言を撤回して謝罪した。国交省は6日、簗氏から2市町への予算配分について照会があったと認める一方、働きかけや圧力はなかったとの認識を示していた。ただ、自民内からも「有権者に対して懲罰的に予算をカットしたと声高に言うなど、あり得ない感覚だ」(政務三役経験者)との声が出ていた。
また、過去2回の衆院選の公示日に、支持者をシャトルバスで出陣式会場に無料送迎していたことも判明。週刊文春は14日、簗氏側が選挙運動員に報酬を支払っていたとも報じた。いずれも公職選挙法違反に当たる可能性がある。
簗氏は14日午前の衆院予算委員会で自身の進退を問われ、「全力で職責を全うしたい」と述べた。高市氏は簗氏の処遇について「(言動の)違法性が大いに疑われ、私も法令違反ではないかという判断に至った時は、人事上のこともちゅうちょしない」と述べていた。
野党は今後、高市氏の任命責任を問う構えで、政権への打撃は避けられない。内閣支持率に影響する可能性もある。
簗氏の選挙区は栃木3区。衆院選では小選挙区で敗れ、比例復活した。9月17日の内閣改造で初入閣していた。