[バンコク 13日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミスト、シルバナ・テンレイロ氏は13日、人工知能(AI)に対する旺盛な需要が中国やインドなどアジア諸国の成長を押し上げているとし、AI関連貿易の伸びは世界貿易全体を上回っていると述べた。

バンコクで開かれているIMF・世界銀行年次総会で記者団に対し、AIによる押し上げがなければ、世界貿易の伸びははるかに低い水準にとどまっていただろうと指摘した。

AI関連の投資・貿易の活況は世界成長の主要な原動力となっているが、AIのサプライチェーン(供給網)は少数の国・分野に集中しており、供給の制約につながる恐れがあると述べた。

同氏によると、世界貿易が2023─25年に8.3%拡大したのに対し、AI関連の世界貿易は29%増加した。AI関連の貿易がなければ、全体の貿易の伸びは4.6%にとどまっていたという。

IMFは、市場価値の調整やサイバーセキュリティーに対するAIの脅威が成長の重しとなり、金融安定リスクを高める可能性があるとも警告した。テンレイロ氏によると、IMFの基本シナリオではAIブームが時間の経過とともに沈静化すると想定しているが、別のシナリオでは、AIブームの長期化が実際に生産性向上につながった場合、インフレへの影響を抑えられる可能性が示されたという。

同氏は、AIブームが続いても生産性向上につながらなければ、成長への押し上げ効果は小さくなり、インフレ率は高まると指摘。また、AIによる収益性向上の評価が見直されれば、需要が下方修正されることになるとし、「基本的に、今われわれが目にしているブームが巻き戻されるということだ」と述べた。

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