Howard Schneider

[クリーブランド 12日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は12日、連邦準備理事会(FRB)が雇用市場に打撃を与えずにインフレを抑制できることを期待していると述べた。ただ、そのためには企業投資の急拡大や、個人消費を押し上げている市場主導の資産効果を抑える必要があるかもしれないとの見方を示した。

ハマック氏はロイターのインタビューで、こうした要因が需要を押し上げ、2.5─3.0%の範囲にとどまっているように見えるインフレの持続につながっていると指摘。制約的な金融政策でこれらを十分に抑えれば、失業率が現在の4.2%を上回らずにインフレ率が低下する可能性があると述べた。

企業幹部との会話を振り返り、「活動を縮小しようとしているという話よりも、景気が好調だという話を多く耳にする」とした上で、「成長は好ましく、成長を止めようとしているわけではない。価格に過度な圧力をかけない程度のペースにまで、少しだけ減速させたいだけだ」と述べた。

「設備投資の面で抑制できれば、消費面での打撃はそれほど大きくならずに済むかもしれない」とし、「どちらが打撃を受けるか正確には分からないが、いずれかの面で活動がある程度減速するのを確認できれば望ましい」と語った。

需要を抑制するには金利を引き上げる必要があると考えているものの、10月27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)では、9月の利上げに続いて利上げすべきかどうかについて「予断を持たずに」臨むと述べた。ハマック氏は今年のFOMCで投票権を持ち、7月の会合では利上げを支持して反対票を投じた。

同氏は「経済に対する制約を強める必要があると思う。ただ、どの程度の期間をかけて行うかは、私にとってまだ結論の出ていない問題だ」と述べた。

インフレ率が高い一方、労働市場は完全雇用に近い状態で安定しているとし、「われわれが課題に直面しているのは、二つの責務のうち一方だけだ」と指摘。「現時点での私の焦点は、インフレに注意を向けることであり、不必要に労働市場を弱めないよう、慎重に進めることだ」と語った。

個人消費については「主に高所得層と資産効果に支えられているように見える」とし、「消費と投資の両方が現在、経済をけん引している」との見方を示した。

<インフレ心理>

ハマック氏は、人工知能(AI)ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)による投資が絶え間なく続き、費用が度外視される中、資源を奪い合う企業の間でインフレ心理が既に根付きつつある可能性を懸念していると述べた。

こうした企業は業績も好調で、投資意欲が旺盛なため、経営幹部はインフレが高止まりすることを前提に計画を立て、投入コストの上昇率を上回る値上げを見込んでいるという。

同氏は、こうした投資需要を抑えられれば、人員削減を伴わずにインフレを和らげる一助となり得るとし、「データセンターから始まったのかもしれないが、より広い範囲に影響が及び始めていると思う。その動きを少しだけ抑えたい」と語った。

「私が使えるのは、細かな調整が利かない一つの手段だけだ。それを使うことが私の役割だと考えている。慎重に使いたい。適切な度合いで、適切な速さで使っていることを確かめたい。ただ、経済への抑制を強める必要があると思う」と述べた。

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