Kashish Tandon Bharath Rajeswaran
[9日 ロイター] - 高度な技能を持つ外国人労働者の永住権申請手続きの一部を米トランプ政権が凍結したことについて、アナリストらは9日、インドのIT企業が短期的に打撃を受ける可能性は低いとの見方を示した。大手IT企業はこの制度への依存を減らしているためだ。
米国が停止対象としたのは、「永久労働認定制度(PERM)」。米国内の外国生まれの人を減らし、永住権や市民権の取得を制限する幅広い取り組みの一環だ。
今回の措置は米マイクロソフト、コグニザント、印インフォシス、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)、ウィプロ、HCLテクノロジーズ、仏キャップジェミニを対象としている。
インド外務省は9日、今回の措置は両国が共有する目標の実現につながらないと批判した。「この件に関する米副大統領の発言も承知している。こうした表現は不当であり、米国で働くインド人専門職が高い教育と技能を備え、米国の経済やイノベーションを支える仕組みに貢献している事実を無視している」と指摘した。
バンス米副大統領は具体的な根拠を示さないまま、企業がPERM制度を利用して米国人従業員を外国人労働者に置き換え、賃金を押し下げていると主張していた。
ICICI証券は、今回の動きはインドIT株にとって短中期的にマイナスだと分析した。主な理由として「目先の売上高への影響ではなく」、投資家心理の悪化と長期的な人材確保への懸念を挙げた。
同証券によると、2024年10月─25年9月に提出されたPERM申請のうち、インドのIT企業が占めた割合は2%未満にとどまった。永住権取得を巡る不透明感が長引けば、米国で働く従業員の離職が増える可能性があると指摘した。
インドのIT業界団体NASSCOMは8日夜、IT企業が近年、米国での現地採用を拡大する一方、H-1Bビザへの依存を大幅に減らしてきたと説明した。H-1Bビザで働く人のうち、PERMの労働認定を経て永住権を取得する人は比較的少ないという。
インド最大のITサービス輸出企業タタ・コンサルタンシー・サービシズは、過去2年間のPERM申請が1桁にとどまっていることを理由に、今回の停止が人員戦略や顧客との取引に影響するとは見込んでいないと述べた。