Miho Uranaka
[東京 9日 ロイター] - 金融庁は9日、営業社員らが顧客から金銭を搾取するなどしていた問題を巡り、 プルデンシャル生命に一部業務停止命令を出した。10月13日から2027年1月末まで、保険の募集と契約を停止するよう命じた。グループ会社のジブラルタ生命にも同様の命令を出した。親会社のプルデンシャル・ホールディング・オブ・ジャパンには業務改善命令を出した。
金融庁によると、プルデンシャル生命の保険募集に関して、多額・多件数の乗り換え契約で保険業法違反が30件、顧客意向に沿わない不適切な保険募集で意向把握・確認義務違反が約4000件あったという。このほか、ライフプランナー(LP)による顧客情報の不正な持ち出しや、不正に持ち込まれた情報の利用も問題視した。
金融庁は、両社の業績連動型報酬制度や営業職員への権限集中などのビジネスモデルが金銭不祥事の温床になったと認定。個人の問題だけではなく組織の問題だとし、歴代経営陣が営業推進を優先し、収益に悪影響を及ぼし得る抜本的な見直しを怠ったことが問題を深刻化させたと指摘した。内部管理態勢の不備に加え、不正が許容されるとの誤った企業風土・文化が醸成されていたとした。本部がものを言えない支社任せの企業風土が助長された結果、問題がさらに拡大したとの認識を示した。
業務停止命令の対象は主に営業社員による新規保険販売で、既存契約の保障や保険金・給付金の支払い、契約内容変更、解約などの保全手続きは継続する。ジブラルタ生命の代理店チャネルによる新規保険販売も対象外とした。
処分では、両社に対し経営責任の明確化や営業社員による金銭不祥事の徹底調査、被害回復などの顧客対応、事故者の処分、営業推進・管理体制の見直し、コンプライアンスと顧客保護を重視した組織風土の醸成、ガバナンス強化などを求めた。
また、保険業やコーポレートガバナンスに関する専門的知見を持つ外部専門家による業務改善計画の策定・実施に関するレビューを受けるよう命じた。両社と持ち株会社は11月30日までに業務改善計画を提出し、以後3カ月ごとに進捗状況を報告する必要がある。
プルデンシャル生命は既に11月5日まで新規契約の保険募集や契約締結活動を自粛していたが、今回の処分を受け、営業社員による関連活動の停止期間を来年1月末まで延長する。ジブラルタ生命も同期間、新規保険契約の販売活動を停止する。
プルデンシャル生命では、元社員らが顧客から総額60億円を超える金銭をだまし取るなどしていたほか、ジブラルタ生命でも元社員による投資名目の金銭不正受領が発覚していた。
プルデンシャル生命、ジブラルタ生命、持ち株会社は連名で、「行政処分を厳粛に受け止め、これまで取り組んできた構造改革のための施策の実効性を検証し、各種施策の実施およびガバナンスの強化について全社を挙げて進める」とし、「再発防止と信頼回復に向けて全力で取り組む」とコメントした。プルデンシャル生命は、プルデンシャル・ファイナンシャルグループ企業。