日本企業のたとえ小さな取り組みでも、メディアが広く伝えれば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく――。そうした「発信と共創の場」をつくることをミッションに、ニューズウィーク日本版は2023年春、「SDGsアワード」を立ち上げました。
2026年、私たちはこの想いをさらに深化させ、ビジネスと社会貢献の融合により強くフォーカスするため、名称を新たに、ニューズウィーク日本版「サステナビリティアワード」として、第4回のプロジェクトを始動しました。
先の見えない今の時代にこそ、日本企業のたゆまぬ挑戦とサステナブルなビジネスモデルが、世界に求められています。私たちは今年も、日本企業によるサステナブルな取り組みを発信していきます。
使用済みのプラスチックを処理し、再びプラスチックの素材として利用する「マテリアルリサイクル」。限られた資源を有効活用する手段の1つだが、2024年に日本で排出された廃プラスチック約911万トンのうち、マテリアルリサイクルに回った割合は約20%にとどまる*。再利用を難しくする要因の1つが、汚れや異物の付着だ。
この課題に取り組む企業を支えているのが、埼玉県川口市に本社を置く日本シーム株式会社だ。リサイクル機械の開発・製造に加え、企業から持ち込まれた廃プラスチックを実機で処理するテストを通じ、「廃棄物」を「資源」へ変える可能性を広げている。
*出典:一般社団法人プラスチック循環利用協会「2024年 プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」
「現場の声に応える」姿勢から生まれた技術力
1977年創業の日本シームは、プラスチックリサイクル用の粉砕機や洗浄機などの開発・製造・販売から、リサイクルプラントの設計・施工までを手掛ける環境機械メーカーだ。創業以来大切にしてきたのは、「現場の声に応える」こと。同社を代表する「洗浄粉砕機」もその姿勢から生まれた。
廃プラスチックの再資源化には、洗浄・粉砕・乾燥・選別などの工程が必要になる。しかし、工程ごとに設備をそろえるには費用がかかり、企業の参入を妨げる一因になっていた。
ある時、長年付き合いのあるリサイクル業者から「汚れた自動車のバッテリーケースを再資源化できないか」という相談を受けた同社は、廃プラスチックの洗浄と粉砕を1台で同時に行う方法を考案。数年にわたる試作と改良を経て、洗浄粉砕機を完成させた。
2つの設備を一体化するとともに、粉砕時に処理物同士がこすれ合う力を利用して洗浄効果を高めた。
顧客の相談に真摯に向き合い、技術を駆使して最適な答えを見つけ出す——その姿勢は現在のテスト支援にも受け継がれている。