実際に量子コンピューターを作れるか試す
そこで彼は、議論の前提を変えた。「解釈を議論するより、実際に量子コンピューターを作れるか試してみよう。そうすれば少なくとも、どの解釈が正しいかを判断できる」
そのような機械が機能すれば、何ができるのか。その答えは、古典コンピューターとの違いにある。
古典コンピューターで分子をモデル化するとき、分子を実際の姿のまま表現することはできない。計算量が大きすぎるため、計算できる大きさになるまで細部を切り捨てるしかないからだ。
量子ソフトウエア企業Q-CTRLの創業者マイケル・ビアクックはその結果を、解像度の限界を超えて拡大した写真に例える。「非常に複雑な量子の像を古典コンピューターに入れようとすると、画素が粗くなる」と、彼は言う。「情報が失われる。収まるようにするために、いろいろなものを捨てるからだ」
理論上、量子コンピューターの用途は大きく4つの分野に分けられる。最も身近で分かりやすいのは、分子、物質、化学反応といった物理系のシミュレーション。ファインマンが指摘したのも、まさにこの分野だった。
2つ目は経路設定や物流などの最適化。3つ目は機械学習で、今のところ最も未知数な分野だ。4つ目は、流体や熱、空気の動きを支配する微分方程式だ。
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