労働力人口の課題

1960年代初め以降、米国では移民の流入、人口増加、そして女性の労働市場への参加を背景に、働く意思を持つ人の数が数十年にわたって安定的に増え続けた。これは米国の経済成長を支える重要な柱となってきた。しかし、この長期的な拡大傾向は2007-09年の金融危機と景気後退によって途切れた。この時期には、失業した移民の一部が母国へ戻り、仕事探しそのものを諦める人も出た。

現在、米国の労働力人口には別の圧力がかかっている。人口の高齢化や出生率の低下に加え、トランプ政権による移民取り締まり強化の影響だ。ここ数カ月で労働力人口は増加しているが、就業中または仕事を探している人の総数は25年11月に記録した過去最高の1億7150万人には依然として届いていない。

解雇少ないが採用も低調

パンデミック後、企業は歴史的な勢いで人材を採用した。同時に、自発的な離職率も高まり、多くの労働者がより高い賃金を求めて次々と職場を移っていった。だがそうした活発な動きは既に姿を消している。企業は大規模な人員削減には慎重で、労働者側も現在の職場にとどまる傾向が強まっている。新規失業保険申請件数は低水準を維持する一方、企業による新規採用も低調だ。

こうした環境の変化は、コンファレンスボード(全米産業審議会)が先月公表した調査結果にも表れている。仕事は「豊富にある」と答えた人の割合が低下する一方で「仕事を見つけるのは難しい」と答えた人の割合は、トランプ氏の大統領1期目の最後の月だった21年1月以来の高水準となった。同じ調査による消費者信頼感指数も、12年ぶりの低水準に落ち込んだ。

製造業雇用の成果まちまち