<トランプが第2次大戦中の米中の同盟関係に言及したことで、「日本は見限られた」と早とちりする人もいるが……>

9月下旬の習近平(シー・チンピン)国家主席の訪米。日本では、やれトランプ米大統領が空軍基地で出迎えたとか、やれ歓迎スピーチで第2次大戦中、米中が同盟関係にあったことを強調したとかで、アメリカは日本の肩越しに中国と手を握る、と早とちりする人が多くいる。

確かに世界史上、中国であれ欧州であれ、同盟相手をころりと替えて敵と組んだ例は多数ある。紀元前627年、春秋戦国時代の中国では、まだ小国だった秦が東方への拡張を図り、それまでの準同盟国の晋と敵対し、後に共通の敵だった楚と結んでいる。

ナポレオンの退場後、諸国間の合従連衡の動きが絶えなかった欧州では1881年に独・墺(オーストリア)・露の三帝同盟が結ばれ、ロシアがフランスと結ぶのを防いだが、90年にドイツがロシアとの再保障条約の更新を拒否すると、ロシアはフランスと接近。94年には露仏同盟を結び、独墺と露仏の対立構造を生起させた(第1次大戦につながった構造だ)。

そしてほかならぬ米中は、第2次大戦前から日本に対して同盟関係にあった。ただしアメリカの同盟相手は国民党政権で、国民党は今の中国共産党と死闘を繰り広げていた。戦後もアメリカは、共産主義の拡大を防ぐため国民党政権を大々的に支援。共産党が勝利して中華人民共和国を樹立すると、国交は途絶。その後ベトナム戦争終結のために中国の助力を必要としたニクソン政権が、1971年に国交回復に向けて接近を始めたのだ。

アメリカが日本を見限ることはない
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